平沢嘉太郎

平沢嘉太郎

平沢嘉太郎（ひらさわ かたろう、1864年3月14日 - 1932年6月1日）は、日本の実業家であり、材木商、加賀銀行取締役を務めました。現在の金沢市である石川郡田井村（のちの崎浦村）の出身です。

生涯

平沢嘉太郎は、元治元年（1864年）に鈴木幸作の三男として生まれましたが、後に平澤家の養子となりました。明治19年（1886年）に家督を継ぎ、材木商としての道を歩み始めます。全国各地の林業を視察し、最新の機材を導入するなど、積極的に事業を拡大しました。最盛期には、現在の金沢駅に隣接する広大な土地に製材所を構えるほどでした。

嘉太郎は材木商としての成功に留まらず、地域社会の発展にも貢献しました。大正13年（1924年）には、金沢の地元資本を集め、浅野川電気鉄道（現在の北陸鉄道浅野川線）を開業させました。これにより、沿線の交通利便性が向上し、地域経済の活性化に繋がりました。さらに、大正14年（1925年）には、個人事業として粟崎海水浴場を整備し、粟崎遊園を開園しました。粟崎遊園は「北陸の宝塚」とも呼ばれ、多くの人々で賑わい、金沢の観光名所として親しまれました。

昭和7年（1932年）に動脈硬化の療養中に逝去しました。

参考文献

図説　石川県の歴史（図説　日本の歴史17）　編集　高澤裕一　発行 河出書房新社　1988　p.272-273「北陸の宝塚」
石川県の歴史（県史17）著者　高澤裕一・河村好光・東四柳史明・本康宏史・橋本哲哉　発行　山川出版社　2000　p.289「北陸の宝塚」
* 『人事興信録. 第8版(昭和3年)』（国立国会図書館近代デジタルライブラリー）

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