平行棒

平行棒について

平行棒は、体操競技の中で男子のみが行う種目であり、その際に使用される器具を指します。この器具は2本の平行な棒から構成されており、選手はこれを利用して様々な技を演じます。平行棒種目では、演技が行われた後に審判によって採点され、評価が下されます。

平行棒の起源と進化

平行棒の起源については様々な説がありますが、古くは木馬の練習用の足場や馬の曲乗りの補助具として発展してきたとされています。19世紀初頭には、フリードリヒ・ルートヴィヒ・ヤーンが木馬運動を行う生徒のために平行棒を導入しました。これにより、選手は腕の支持力を高めることができ、演技がよりダイナミックになりました。

近年では、体操競技のルールが何度も改正され、静止技よりも振動技が重視されるようになってきました。具体的には、静止技や力技の制限が厳しくなり、流れのある演技が評価される傾向が強まっています。この結果、単棒での演技に比べて平行棒独自の技が求められるようになりました。

平行棒の構造

使用される平行棒は、腕や体を支持するためにしなやかで太い構造を持ち、高さは約200 cmに設定されています。通常は木製ですが、合成素材で作られたものもあります。この特性により、選手はより自由に、かつ多彩な演技を行うことが可能です。

演技の流れと採点基準

平行棒演技は、選手が平行棒にぶら下がることから始まります。その後、演技を行い、最終的に着地して演技を終わらせます。演技者は初めの動作から全ての技を行い、最終技での着地がポイントとなります。着地の際に静止できず足を踏み出すことや転倒があると減点対象となります。

採点は、美しさだけでなく、技の難度に基づいて行われます。認められている技はそれぞれ難度が設定されており、技の難度が高いほど加点される仕組みです。つまり、ただ美しい演技をしても、難度が低いと良いスコアは得られません。

技の種類と特徴

平行棒で実施される技には多くの種類があり、主なものを以下に示します。

• - 両棒での支持振動技: 2本の棒を使って、棒間で体を支えながら振動する技。
• - 腕支持振動技: 手を棒上に置き、両腕で体を支えて振動する技。
• - 懸垂振動技: 棒の下にぶら下がって振動を行う技。
• - 力技: 振動を伴わず、静止状態から別の静止状態へと移行する技。
• - 静止技: 複数の振動を経た後、一定時間静止を保持する技。
• - 旋回技: 棒の上で旋回を行う技。
• - 横向き単棒技: 単棒を持って振動する技。
• - 終末技: 演技を終了させるために着地する技。

禁止行為とルール

平行棒演技には規則が設けられており、以下のような禁止行為があります。

• - 器具からの落下: 平行棒から落下することで減点が科せられます。
• - 難度表に載っていない技の実施: 認められていない技を行うと、減点対象となります。
• - 不正な終末技: 終末技はC以上の難度でなければならず、無難度で行った場合には減点が見込まれます。

また、手や腕以外の体の部位での支持も禁止されており、体のいかなる部分がマットや棒に触れても減点が生じます。このような厳しいルールにより、選手は高い技術と美しさを兼ね備えた演技が求められます。

結論

平行棒は体操競技の中でも非常に技術的な要素が強く、選手にとっては難易度と魅力の両面を持ち合わせた種目です。時間とともに進化する平行棒演技の世界で、今後も新たな技やスタイルの誕生が期待されます。

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