平行記号

平行記号とは

平行記号は、幾何学において、二つの線や面が平行であることを示すために使用される記号です。平行とは、二つの直線または平面がどこまでも交わらない状態を指します。この記号は、数学や物理学などの分野で広く用いられています。

記号の種類

平行記号は、一般的に日本では「//」と表記されます。これは、2本の斜線が平行に並んだ形をしています。一方、欧米では「||」という記号が用いられることが多く、2本の縦線が平行に並んだ形をしています。

使用例

平行記号は、線分や直線、面などの間に用いられ、それらが平行であることを示します。

例:

AB // CD (線分ABと線分CDが平行)
面A // 面B (面Aと面Bが平行)

また、4次元以上の空間を扱う場合にも、平行記号を用いて空間同士の平行関係を示すことがあります。

平行の否定

平行でない状態を示す記号は、「∦」です。これは、平行記号に斜線を重ねた形をしています。日本の表記では「//」に「＼」を重ねたものが用いられ、欧米では「||」に「／」を重ねたものが用いられます。

例:

AB ∦ CD (線分ABと線分CDが平行でない)

その他の用法

平行記号は、幾何学的な意味以外にも、電気回路における並列回路の合成抵抗を計算する際の演算子としても用いられることがあります。

文字コードの問題点

平行記号は、文字コードにおいていくつかの問題点があります。

Shift_JISとUnicodeのマッピングの誤り

Microsoftは、Shift_JISにおけるJIS X 0208の双柱記号(1-34)をUnicodeにマッピングする際、誤って平行記号を割り当ててしまいました。このため、Unicodeを介して正しいJISコードに変換する際に文字化けが発生する原因となり、この文字は機種依存文字として扱われることがあります。

JIS X 0213での定義

2000年にJIS X 0213で平行記号が1-2-52に規定され、初めて「//」の字形で定義されました。このため、Microsoft Windows Vistaの標準フォントでは、平行記号を「//」の字形として表示するようになりました。

Windowsでの表示問題

上記のような経緯から、Windows Vista以降の環境では、Shift_JISで表記された双柱記号が「//」で表示されてしまうという問題が発生することがあります。この問題は、Microsoft Windows XPなどの環境でも、JIS2004対応フォントをインストールすることで発生することがあります。

符号位置

平行記号の符号位置は以下の通りです。

U+2225 (∥) 平行記号
U+2226 (∦) 平行でない記号

関連項目

垂直記号
* 平行

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