年間最優秀力士賞

年間最優秀力士賞について

年間最優秀力士賞は、報知新聞社が設けた非常に権威のある賞で、ある年に最も卓越した力士を称えるものです。この賞は1958年に制定され、その年から年6場所制が導入されることに伴って、その年の力士の業績を評価するために設立されました。当初は「報知年間最優秀力士賞」と呼ばれていましたが、現在もその名で親しまれています。

毎年12月には選考委員会が開かれ、その年の受賞者が決定されます。この選考は勝利数や優勝回数、さらには取組内容を総合的に評価し、最もふさわしい力士に授与されます。受賞者は翌年の1月場所初日に行われる表彰式で発表され、スポーツ報知杯とともに賞金50万円が授与されます。

年間最優秀力士賞には、年間最多勝と混同されることがあります。この二つは似ていますが、実際には異なる評価基準があります。年間最多勝は、力士が一年間中に獲得した勝利数に基づいて受賞者が決定されるのに対し、年間最優秀力士賞は取り組み内容や全体的なパフォーマンスを考慮します。このため、年間最多勝を受賞した力士がそのまま年間最優秀力士賞を受賞することが多いのですが、逆に引き続き高い勝率を維持しながらも、全体的なパフォーマンスで評価された力士が受賞することもあります。

過去には、1972年の貴ノ花、1975年の三重ノ海、1977年の輪島、2016年の日馬富士、2019年の白鵬といった、いわゆる“最優秀力士賞”とは異なる力士たちも受賞しています。これらの受賞者は、特に年間最多勝力士を上回る成績を残した力士が選ばれた稀少なケースといえるでしょう。

2023年には、優勝2回を果たした大関霧島が初めてこの栄誉に輝きました。霧島は12月26日に選出され、まさにその年を代表する力士としての地位を確立しました。選考委員会には報知新聞社社長や編集局長を含むメンバーが参加し、厳正な審査が行われています。

このように、年間最優秀力士賞は日本の相撲界において非常に重要な意味を持つ賞で、その選考過程や受賞者の栄誉はファンにとっても注目の的となっています。相撲ファンや関心を持つ人々にとって、この賞は力士たちの努力と成果を知る貴重な機会を提供し続けているのです。

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