幸せになるための27のドレス

映画『幸せになるための27のドレス』

『幸せになるための27のドレス』（原題：27 Dresses）は、2008年にアメリカで公開されたロマンティック・コメディで、2006年のヒット作『プラダを着た悪魔』の製作スタッフによる作品です。この映画は全米で7500万ドルを超える興行収入を上げ、大ヒットとなりました。

ストーリー概要

物語は、女性ジェーンを中心に展開します。彼女は周囲の期待に応えようとするあまり、自分の感情を素直に表現できない性格で、特に恋愛に対しては非常に臆病です。これまでに数多くの結婚式で花嫁の付添い人として活躍してきた彼女のクローゼットには、27着ものブライドメイドのドレスが収められています。彼女はこれらのドレスに思い出を詰め込みながらも、結婚への強い憧れを抱いています。

しかし、彼女の恋の相手である上司のジョージに心を寄せながらも、その気持ちを伝えることができず、無自覚なまま日々を過ごしています。そんなある日、彼女の妹であるテスがニューヨークに帰ってきます。テスは美しく魅力的ですが、自己中心的な性格で、これまでジェーンは彼女の意のままに振り回されてきました。

複雑な恋愛と家族の絆

このテスがジョージに一目惚れされるという出来事が起こり、状況は急転直下します。テスは得意の嘘を駆使してジョージとの関係を構築し、最終的には結婚することが決定します。これに衝撃を受けるジェーンは、複雑な感情に揺れ動きます。彼女の想いが叶うどころか、最も親しい人との関係が崩れる危機に直面してしまうのです。

さらに、テスの結婚式の取材をするためにジェーンとの接触を企図した記者のケビンが、自分の正体を隠しながらも彼女に近づいていきます。ジェーンは彼の取材に応じることになり、自分が着た27着のドレスのエピソードを語る中で、少しずつ心を開いていきます。このやり取りの中で、ケビンもジェーンに惹かれていくのですが、記事としてただのネタにされることへの違和感も抱くようになります。

結婚式と自分自身を取り戻す決意

しばらくして、テスは母から受け継いだウェディングドレスを改造し、まったく別のものにしてしまいます。そして、ジェーンはケビンとの関係が深まる中でさまざまな葛藤を抱えつつも、自身の心を抑えきれなくなっていくのです。彼女の心の中に芽生えた決意は、妹の結婚式のないしは、彼女自身の愛のために立ち上がることでした。

最終的に、ジェーンは自ら計画した婚約パーティに出掛け、全ての真実を明かすことを決心します。この決断は、彼女が自分自身と向き合い、自己肯定へと至るプロセスを象徴しています。この映画は、ただのロマンティック・コメディに留まらず、愛情や友情、家族の絆について深く考えさせられる作品です。

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