幸せの黄色いリボン

幸せの黄色いリボン

「幸せの黄色いリボン」（しあわせのきいろいリボン）、英題は「Tie a Yellow Ribbon Round the Ole Oak Tree」は、1973年にアメリカのポップスグループ、トニー・オーランド＆ドーンによってリリースされた楽曲です。この曲は特に、多くの人々の心に響く物語性とキャッチーなメロディーが特徴です。

リリース当時、この曲はビルボード誌で1973年4月21日付の週間ランキングおよび年間ランキングにおいて1位を獲得し、日本でもオリコン洋楽シングルチャートで3週連続1位に輝きました。特にトニー・オーランド＆ドーンにとっては、この曲がメンバーのキャリアにおける最大のヒットになりました。

曲の背景には、トニー・オーランドがメンバーとして活動を続ける意思を持っていた時期がありました。グループは、リリース前に好成績を収めることができず、解散を考えざるを得ない状況にありました。そんな中で現れた「幸せの黄色いリボン」のメロディーにプロデューサーたちが反応し、トニーは最初は歌うことに乗り気ではありませんでした。しかし、他のミュージシャンへの提案も受け入れられず、結局ドーンが歌うことになったのです。

歌詞にはある伝承が基になっており、出所した男性が故郷に帰る際に、彼を待つ愛する人に対して“帰りを待っていることを示してほしい”という願いを込めています。具体的には、男性が出所前に手紙を送り、「木の幹に黄色いリボンを結んでおいてほしい」と頼みます。そして汽車で近くまで来るが、帰る勇気が持てずに様子を伺ったところ、木には多くの黄色いリボンが結ばれているという感動的なストーリーが展開します。

この曲の歌詞について、ジャーナリストであり小説家であるピート・ハミルは、自らのコラム「Going Home」に基づいていると主張し訴訟を起こしました。彼のコラムは、出所した男性がバスの中からオークの木に結ばれた黄色いハンカチを見つけるという内容で、実際に1972年にはテレビドラマにもなりました。しかし、調査の結果、ハミルが引用した伝承は彼以前にも言及されていたため、訴訟は取り下げられました。

現在この曲は、さまざまなメディアで使われており、2021年7月12日からは三井不動産のCM『BE THE CHANGE』のテーマソングとしても知られています。さらに、そのメロディーは多くの作品にも引用され、特に『幸福の黄色いハンカチ』というドラマでも使用されていることがあります。このように「幸せの黄色いリボン」は、音楽だけでなく、シネマや広告でも広く知られた存在となっております。

この楽曲は今もなお、幸福や帰郷といったテーマを示す象徴的な存在として君臨し、聴く人々に感動を与え続けています。

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