幹部高級課程

幹部高級課程とは

幹部高級課程は、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊において、将来の高級指揮官や幕僚を育成するために設けられた、専門性の高い教育課程です。各幹部学校で実施され、高度な知識や技能を習得し、部隊を指揮・統率する能力を磨くことを目的としています。

概要

陸上自衛隊では教育訓練研究本部（旧陸上自衛隊幹部学校）、海上自衛隊では海上自衛隊幹部学校、航空自衛隊では航空自衛隊幹部学校にそれぞれ開設されています。教育期間は約6か月で、年2回コースが実施される点は共通していますが、教育内容には各学校で細かな違いがあります。近年では、アメリカやアジア諸国からの留学生も受け入れており、国際的な交流も盛んに行われています。

課程を修了した学生は、さらに統合幕僚学校の統合高級課程（約5か月）に進みます。2006年3月まで存在した統合幕僚学校一般課程や防衛研究所一般課程と並び、幹部高級課程は「高級3課程」と称されていました。

各自衛隊の幹部高級課程

陸上自衛隊

英称: AGS (Advanced Command and General Staff Course)
対象: 指揮幕僚課程を修了した1佐から2佐
教育期間: 25週間
目的:
高級指揮官・幕僚に求められる戦略的・戦術的知識と技能の付与
師団以上の規模の部隊運用に必要な統率力と判断力の育成

陸上自衛隊の幹部高級課程では、選抜された幹部自衛官が、より高度な知識と技能を習得し、将来の幹部としての素養を磨きます。過去の成績や勤務評価も選抜の参考にされます。

海上自衛隊

英称: AC (Advanced Command and Staff Course)
対象: 1佐・2佐で、指揮幕僚課程等を修了した者
目的:
幹部自衛官としての資質向上
高級指揮官・幕僚として必要な知識と技能の習得

海上自衛隊の幹部高級課程では、選抜された幹部自衛官が、より高度な知識と技能を習得し、将来の幹部としての素養を磨きます。

航空自衛隊

英称: AWC (Air War Course)
対象: 指揮幕僚課程(CSC)を修了した1佐から2佐
目的:
幹部自衛官としての資質向上
高級指揮官・幕僚として必要な知識と技能の習得

航空自衛隊の幹部高級課程では、選抜された幹部自衛官が、より高度な知識と技能を習得し、将来の幹部としての素養を磨きます。

まとめ

幹部高級課程は、陸海空自衛隊において、それぞれ特色のある教育を行っていますが、共通して、将来の高級指揮官・幕僚を育成するという重要な役割を担っています。各課程を修了した自衛官は、さらに統合幕僚学校での教育に進み、より高度な知識と能力を身につけていくことになります。

参考資料

陸上自衛隊の教育訓練に関する訓令
海上自衛隊の教育訓練に関する訓令
* 航空自衛隊の教育訓練に関する訓令（防衛省・自衛隊情報検索サービス）

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