幻のハックルバック

『幻のハックルバック』は、1976年に鈴木茂とハックルバックによって発表されたスタジオアルバムです。このアルバムは、鈴木茂が1975年にアメリカでレコーディングを行った初のソロアルバム『BAND WAGON』の収録曲を、ライブで再現するために結成されたバンド、ハックルバックの演奏を収録しています。

ハックルバックは、エンジニアの田中信一からの依頼で、オーディオ・フェアの山水ブースで流すための音源をレコーディングしました。このレコーディングは1975年10月に行われ、その音源がバンド解散後の1976年に『幻のハックルバック』としてリリースされました。

鈴木茂によると、アルバムに収録されている楽曲は、ライブで演奏していたアレンジをそのままに、わずか1日で録音されたとのことです。これらの楽曲は、当初オリジナルアルバムの制作を目的としたものではありませんでしたが、ハックルバックにとって唯一のスタジオレコーディング作品となりました。

『幻のハックルバック』は、当初カセットテープのみでリリースされました。その後、1989年にCD化され、1996年には紙ジャケット仕様で再リリースされるとともに、アナログ盤も完全生産限定盤として同時発売されました。さらに、「100Wの恋人」と「砂の女」は、2008年にリリースされた鈴木茂のクラウン在籍時のソロワークを集めたボックスセット『鈴木茂ヒストリー・ボックス〜クラウン・イヤーズ1974-1979』の「LIVE AND RARE TRACKS」にも収録されています。

このアルバムは、鈴木茂とハックルバックの貴重なスタジオ演奏を捉えた作品として、音楽ファンにとって見逃せない一枚です。ライブ感あふれる演奏と、鈴木茂の卓越した音楽センスが凝縮されたこのアルバムは、時代を超えて愛され続けています。

収録曲やクレジット、リリース日一覧などの詳細については、Discogsなどの音楽データベースで確認できます。

特筆すべき点

ハックルバック唯一のスタジオレコーディング作品
ライブアレンジを忠実に再現
カセット、CD、アナログ盤でリリース
鈴木茂のソロワーク集にも収録された楽曲

『幻のハックルバック』は、日本のロック史における貴重な記録であり、鈴木茂の音楽キャリアにおいても重要な作品の一つと言えるでしょう。

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