幻想水滸伝III

幻想水滸伝III

『幻想水滸伝III』（げんそうすいこでんスリー）は、2002年にKONAMIから発売されたPlayStation 2用のコンピュータRPGです。このゲームは『幻想水滸伝シリーズ』の第三作目であり、シリーズ初の3Dポリゴンによるビジュアルが導入されています。キャッチコピーは「信じる道ならば進むのでしょう。それは、人の性なのですから。」です。さらに、2004年、2005年には特別版がリリースされました。

あらすじ

物語は、ゼクセンとグラスランドが互いに重要な人物を暗殺し合う、深い対立の時代から始まります。グラスランドの部族の族長の息子ヒューゴは、和平の使者としてゼクセンを訪れますが、冷遇されて帰国すると、部族がゼクセンに襲われ、親友が命を落とすという悲劇に見舞われます。その惨劇を引き起こしたのは、ゼクセンの騎士団長クリスでした。ヒューゴは復讐の炎に燃え、自らの運命を切り開こうと足掻くことになります。

一方、クリスもまた自身を偶像化する周囲の崇拝に疑問を感じつつ、グラスランドへの侵攻の理由に身を引き裂かれています。さらに、ハルモニア神聖国の兵士で、炎の英雄との過去を持つゲドも、事件に関与し、真相を探るべく動き出します。

物語は、これら三人の異なる立場の主人公が運命の糸に導かれて出会い、初めの敵対から協力へと進展します。ゼクセン評議会の陰謀や「真なる火の紋章」の秘密、ヒューゴの親友を殺したクリスとの関係、そして、互いの運命が交錯するさまが描かれ、壮大な英雄戦争へと連なることになります。

世界観

『幻想水滸伝III』は複雑な世界観を持ち、グラスランド、ゼクセン連邦、そしてハルモニア神聖国という主要な地域や国家が登場します。これにより、物語はより深みを増し、複雑な人間関係や政治的陰謀が展開されます。

システム

本作では、シリーズ初の「トリニティ・サイト・システム」が採用されており、三人の主人公それぞれの視点から物語が進行します。このシステムにより、単一の視点では把握できない真相が徐々に明らかになります。また、フリーポジショニングバトルシステムにより、戦闘中に自由にキャラクターを動かせるバトルが実現され、戦略的な要素も強化されています。

さらに、バディシステムや戦争イベントも導入されており、仲間との連携やリーダーシップが求められるような多層的な戦闘が楽しめます。

登場人物

ヒューゴ

族長ルシアの一人息子で、正義感が強い性格の持ち主。彼の壮絶な復讐劇が物語の中心となります。

クリス・ライトフェロー

ゼクセン騎士団の団長であり、彼の内面の葛藤が物語に深みを与えています。

ゲド

謎の多い人物で、「真なる雷の紋章」を宿す一方で、歴史の深淵に関わる英雄戦争の中心に巻き込まれていきます。彼の過去や目的は、物語を進める上での重要な鍵となります。

物語を通して、友情、復讐、陰謀といった要素が交錯し、プレイヤーはそれぞれのキャラクターの視点から壮大なドラマを体験することができます。これは後に「英雄戦争」と呼ばれる歴史的戦争の記録として、激動の時代を象徴する作品となっています。

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