幼年漫画

幼年漫画とは

幼年漫画は、主に就学前の幼児や小学生を対象とした漫画のジャンルであり、児童漫画とも呼ばれます。ここでは、幼年漫画の定義、特徴、歴史について解説します。

幼年漫画の特徴

幼年漫画には、主に以下の特徴があります。

ページ数、コマ数の少なさ: 小さな子供でも読みやすいように、ページ数やコマ数が少なく構成されています。
内容の簡潔さ: ストーリーや設定が単純明快で、子供にも理解しやすい内容になっています。
ルビの多用: 漢字やアルファベットには必ずルビが振られており、未就学児向けには漢字を全く使わず、カタカナやアルファベットにも平仮名のルビが振られることがあります。
絵柄: 女の子向けの作品では、キャラクターの目を大きめにするなど、かわいらしい絵柄が多い傾向があります。

男の子向けの作品は、ギャグを売りにした作品が多く、内容面で少年漫画とあまり変わらないものもあります。

幼年漫画の歴史

戦前

幼年向けの雑誌『幼年倶楽部』には、田河水泡の『道化小象』、阪本牙城の『タンク・タンクロー』、吉本三平の『コグマノコロスケ』など、動物を主人公にした作品が掲載されていました。

戦後

戦後、講談社、集英社、秀文社などの出版社が、幼年雑誌や学習雑誌を創刊し、それらの誌上に漫画を掲載しました。横山隆一の『グルグルコマスケ』、にいぜきけんのすけの『とらのこ・とらちゃん』、阪本牙城の『タンクタンクロー』、山川惣治の『少年王者』、上田としこの『ぼん子ちゃん』、長谷川町子の『わかめちゃん』、島田啓三の『ぼうけんダン吉』など、SF、忍者など多様なジャンルの作品が登場しました。

手塚治虫らの登場

手塚治虫は、昭和20年代から30年代にかけて、当時の流行を反映しない幼児漫画を描きました。『お山の三五郎』、『らびちゃん』、『ボンゴ』などが代表作です。昭和40年代に入ると、手塚治虫の作品がアニメ化され、『鉄腕アトム』などが放送されました。また、赤塚不二夫、藤子不二雄、寺田ヒロオらも同時代に幼児漫画を発表していました。

バブル以降

バブル以降、男児向けの漫画は主人公の年齢層が上がり、小学生主人公の漫画が減少しました。藤子・F・不二雄作品や月刊コロコロコミックがその代表例です。一方で、女児向けの漫画では中学生の主人公が増えています。

現在刊行されている主な幼年漫画雑誌

両性向け: 小学館の学年別学習雑誌、幼稚園、めばえ、おともだち、たのしい幼稚園など
男の子向け: 月刊コロコロコミック、別冊コロコロコミック、コロコロイチバン!、最強ジャンプ、てれびくん、テレビマガジンなど
女の子向け: ちゃお、なかよし、りぼん、ぷっちぐみ、おともだちピンク、たの幼ひめぐみ、キャラぱふぇなど

これらの雑誌の中には、厳密には漫画雑誌ではないものも含まれています。

幼年漫画の今後

幼年漫画は、子供たちの成長に寄り添い、夢と希望を与える存在として、これからも重要な役割を果たしていくでしょう。デジタル化の進展により、新たな表現方法や読者との接点が生まれることが期待されます。

関連項目

子供向けアニメ

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