幾原雄一

幾原 雄一（いくはら ゆういち）

概要

幾原雄一は1958年に誕生し、日本の工学界で著名な研究者として知られています。専門分野は、材料科学と電子顕微鏡学です。現在、東京大学大学院工学系研究科の教授であり、また東北大学原子分子材料科学高等研究機構の主任研究者、さらには一般財団法人ファインセラミックスセンターナノ構造研究所の客員主任研究者としても活動しています。出身地は三重県津市で、三重県立津高等学校を経て、九州大学工学部金属系学科を卒業しました。

学歴と職歴

幾原は1982年に九州大学を卒業後、1988年に同大学の大学院で材料開発工学専攻の博士課程を修了しました。修了後は、ファインセラミックスセンター研究所の研究員としてのキャリアをスタートさせました。1991年にはケース・ウェスタン・リザーブ大学で客員助教授を務め、1993年にはファインセラミックスセンター研究所の統括部長代理に就任しました。

1996年からは東京大学工学部の助教授を経て、2003年に大学院工学系研究科の総合研究機構教授に昇進し、2005年には同機構の長としても活動しました。その後、2007年には東北大学に教授として迎え入れられ、2012年には京都大学構造材料元素戦略研究拠点教授に就任するまでになりました。さらに、2019年からは日本顕微鏡学会の会長としても活躍しています。

研究業績

幾原の主な研究業績は、電子顕微鏡を用いた材料の格子欠陥、つまり転位や粒界の構造解析に焦点を当てています。これにより、材料の特性や挙動をより深く理解し、さまざまな応用に役立てています。大学や研究機関での彼の活動は、国内外で高く評価されています。

賞歴

彼の研究活動は多数の賞によって裏付けられており、2010年にはフンボルト賞、2015年にはアメリカセラミックス学会のSosmon賞を受賞しました。2023年には日本学士院賞を柴田直哉とともに受賞し、同年に市村学術賞功績賞も受けています。さらに、2024年には物質・材料研究機構からNIMS Awardを授与されるまでになりました。

栄典

2016年には紫綬褒章を受章し、これは彼の業績がいかに認められているかを示すものです。

出版物

幾原は著作として『セラミック材料の物理 : 結晶と界面』を1999年に日刊工業新聞社から出版しており、これも彼の専門分野における貢献を物語っています。

外部リンク

彼に関する詳細な情報は、東京大学大学院工学系研究科、東北大学材料科学高等研究所、そしてresearchmapのウェブサイトで確認できます。

もう一度検索