広島市民球場 (初代)

初代広島市民球場の概要

初代広島市民球場（ひろしましみんきゅうじょう）は、かつて広島県広島市中区基町に存在した野球場で、広島市が所有し、広島東洋カープの本拠地として1957年から2009年まで利用されていました。燕も伝える通称「市民球場」は、中国地方で初めてナイター設備を備えた球場として、ファンの熱い支持を受けていました。

1957年7月に完成した市民球場は、内野2階スタンドや電光式掲示板、可動式の屋根など、時代に応じた設備が増強され、最終的には観客収容数が31,984人に達しました。以後、広島カープの試合や様々なアマチュア大会が多数開催され、市民にとって大切な場所となりました。

2000年代には、老朽化が進み、特にフィールドの狭さが問題視されるようになりました。2009年までの53年間の歴史に終止符を打ち、新たに開場したMAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島へとプロ野球の本拠地機能が移行されました。

歴史的経緯

市民球場の建設は、1952年にナイター設備の設置案が出されたことから始まりました。広島市内でのナイター球場待望論が高まり、1954年には市営野球場設置対策委員会が設立されました。その結果、基町に建設されることが決まりましたが、地元住民からの反発を受けるなど、様々な紆余曲折を経て1956年に工事が開始されました。

1957年7月22日、「広島対阪神戦」での球場開きが行われ、ナイターの試合も実施され、多くの観客が押し寄せました。その後、徐々に観客動員数が増加し、カープの経済基盤も固まりました。

変遷と改修

市民球場は、1980年代に入ってからも様々な改修が行われました。内野二階スタンドが増設され、観客収容数を増やすことができましたが、人気は低迷しました。1990年代に入ると、他の新しい球場との競争が厳しくなり、観客動員数も波に乗りませんでした。

2008年に市民球場で最後の公式戦が行われ、その後、2009年4月に「旧広島市民球場」と改名されました。2010年には廃止条例が制定され同年3月31日に閉場し、2012年2月にはライトスタンドの一部を残し解体が完了しました。

現在の姿と未来

現在、旧広島市民球場の跡地は、新たな市民利用スペースとして「ひろしまゲートパーク」として整備されています。スケートボードなど多目的に利用できる施設や、多様なイベントが開催される公園として生まれ変わっています。元々の球場が持っていた歴史を受け継ぎながら、新たな文化と憩いの場を提供する空間へと成長していくことが期待されています。

市民球場の思い出は語り継がれ、広島の新しいランドマークとして、多くの市民に愛され続けることでしょう。

もう一度検索