広島県立びんご運動公園野球場

ぶんちゃん しまなみ球場（広島県立びんご運動公園野球場）

ぶんちゃん しまなみ球場は、広島県尾道市の広島県立びんご運動公園内にある野球場です。2022年2月1日から命名権によりこの名称が用いられていますが、以前は「しまなみ球場」の愛称で親しまれていました。その最大の特徴は、阪神甲子園球場をモデルに設計された、いわゆる「クローン球場」であることです。

歴史

1999年、広島県東部地区のスポーツ振興のため、びんご運動公園内に野球場を建設する計画が始まりました。県は「他にはない特徴的な球場を」というコンセプトのもと、広島県高等学校野球連盟からの要望も踏まえ、甲子園球場をモデルとすることを決定しました。

設計にあたっては、県職員が甲子園球場を視察しましたが、球場側の警備上の理由から詳細な測量や図面の入手が困難でした。そこで県は、甲子園球場に関する資料や空中写真などを解析し、詳細な寸法を割り出すという苦労を重ねました。この解析の過程で、当時の甲子園球場の一塁側ファウルエリアが三塁側よりも若干広いことが判明したというエピソードも残っています。

こうして2002年7月、しまなみ球場は竣工しました。本塁から両翼・中堅までの距離、グラウンド面積、外野フェンスの高さ、使用する土や芝の種類まで、可能な限り甲子園球場に近づけて設計されています。ただし、当時の甲子園球場の公称値に誤りがあったため、実際には細部が異なっている部分もあります。

しまなみ球場は、開場以来、高校野球などのアマチュア野球公式戦や一般利用のほか、プロ野球の試合も開催されています。広島東洋カープが主催するオープン戦や公式戦が年に数試合行われ、2005年からは主にセ・パ交流戦のカードで使用されています。また、2013年以降は、高校野球広島大会の準決勝・決勝戦の舞台ともなっています。

施設概要

グラウンド面積：13,844m2
両翼：96m
中堅：120m
内野：クレー舗装
外野：天然芝
外野フェンス高：3.2m
照明設備：6基
スコアボード：フルカラーLED式電光掲示板
収容人員：16,000人

特徴

しまなみ球場の最大の特徴は、何と言っても甲子園球場を模した球場であることです。しかし、2007年と2008年に甲子園球場が改修され、ファウルグラウンドが狭められたのに対し、しまなみ球場では現在のところ改修の予定はありません。そのため、より竣工当時の甲子園に近い状態を保っていると言えるかもしれません。

命名権

2022年2月1日、尾道市に本社を置く企業が命名権を取得し、「ぶんちゃん しまなみ球場」という名称になりました。契約期間は2027年3月31日までとなっています。

アクセス

鉄道：JR尾道駅または新尾道駅からバス
* 車：山陽自動車道尾道インターチェンジまたは西瀬戸自動車道西瀬戸尾道インターチェンジから

しまなみ球場は、そのユニークなコンセプトと美しい景観から、野球ファンのみならず多くの人々に愛されています。ぜひ一度、足を運んでみてください。

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