広沢好輝

広沢 好輝（ひろさわ よしてる）は、1971年5月25日に三重県度会郡小俣町（現在の伊勢市）で生まれた日本の元プロ野球選手。右投左打の内野手として活躍した後、俳優やスポーツライター、そして実業家へと転身した多彩な経歴の持ち主です。

経歴

広沢氏は明野高校に進学し、2年生時には春の選抜高等学校野球大会に出場しました。しかし、この大会では初戦で近大附属高校に敗れています。高校の2学年上には、後にプロ野球で活躍する大道典良氏が在籍していました。

1989年のプロ野球ドラフト会議において、東京ヤクルトスワローズから6位指名を受け、プロの世界へと足を踏み入れます。ヤクルトでは背番号「59」を背負いました。入団当時、チームには同姓の広澤克実選手がいたため、区別するために登録名が「広沢克」と表記されるなどの配慮がなされました。ヤクルトが黄金期を迎える中にあっても、主にファームでのプレーが中心でしたが、その甘いルックスでファンからの人気も集めていました。

プロ入り後、1994年に待望の一軍初出場を果たします。彼のプロでの「初」に関する記録は以下の通りです。

初出場・初先発出場：1994年9月9日、横浜スタジアムでの対横浜ベイスターズ20回戦に、2番・遊撃手として先発出場。
初打席：上記試合の1回表、横浜ベイスターズの有働克也投手から。
初安打：上記試合で記録した単打。
初盗塁：1996年9月15日、横浜スタジアムでの対横浜ベイスターズ24回戦、8回表（投手：佐々木主浩、捕手：秋元宏作）。

1995年は一軍出場機会に恵まれませんでしたが、1996年に阪神タイガースへ移籍します。阪神では背番号を「57」に変更し、1997年限りで現役を引退しました。

多彩な引退後のキャリア

ユニフォームを脱いだ後は、多方面で活動を開始します。俳優として映像作品に出演する一方、スポーツニッポンの評論家としても筆を執りました。

特に、阪神時代のチームメイトであり同学年の新庄剛志氏とは親交が深く、彼がメジャーリーグへ挑戦する際には、『週刊ベースボール』誌の新庄担当特派員として現地に派遣されるなど、長年にわたり厚い友情を育みました。現役時代には共に自主トレーニングを行う間柄でもありました。

一度は引退したものの、2002年には現役選手として再びグラウンドに立つことを決意します。アメリカとカナダを拠点とする独立リーグ、ノーザンリーグに所属するオールバニー・コロニー・ダイヤモンドドッグスに入団。しかし、限られた出場機会（4試合）の中で、打率.143と目立った成績を残すには至らず、このシーズンをもって再び現役生活に区切りをつけました。

独立リーグでの挑戦を終え、故郷である三重県へと戻った広沢氏は、実業家としての道を歩み始めます。地元でインターネットカフェの経営を手掛ける傍ら、2011年に結婚。その後は家業である松阪市のリサイクルショップ「リ・トライアングル」を引き継ぎ、二代目社長として事業の運営に尽力するなど、現在も多角的に活動を続けています。

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