広沢豊作

広沢豊作（ひろさわ とよさく）は、1881年3月24日に生まれ、1942年4月11日に亡くなった、昭和時代戦前の日本の政治家、医師、そして実業家です。彼は山口県小野田市の初代市長を務めました。

生い立ちと学歴

広沢豊作は、山口県出身で、広沢季三郎の長男として生まれました。彼は向学心に燃え、京都帝国大学医科に進学し、1907年（明治40年）に卒業しました。医学の知識を深め、医師としての道を歩み始めました。

医師・実業家としての活躍

大学卒業後、広沢豊作は小野田に戻り、小野田病院を創立しました。地域医療に貢献する傍ら、実業家としても手腕を発揮し、小野田陶業、小野田合同運送、小野田清涼飲料水といった企業の社長を歴任しました。また、門司病院長も務めるなど、医療分野でも幅広い活動を展開しました。

さらに、新沖ノ山炭坑の取締役、朝鮮小野田セメント、宇部電気鉄道の監査役など、多岐にわたる企業の経営にも参画しました。山口県医師会長、山口県会議員、山口県学校医会長なども務め、地域社会の発展に尽力しました。

小野田市長としての功績

1941年（昭和16年）、小野田市が市制を施行すると、広沢豊作は初代市長に就任しました。第二次世界大戦下の困難な状況の中、彼は市の発展のために様々な施策を推進しました。

その中でも特筆すべきは、市の発展と平和を象徴する市章の制定です。また、小野田・高千帆両商工会を合併させ、新たに小野田商工会を設立するなど、商工業の振興にも力を注ぎました。

しかし、初代市長としての重責を担う中、広沢豊作は任期途中の1942年4月11日にこの世を去りました。彼の死は、市民にとって大きな悲しみであり、大きな損失でした。

広沢豊作は、医師として地域医療に貢献し、実業家として経済発展に尽力し、政治家として市政を担いました。彼の多岐にわたる活動は、小野田市の発展に大きく貢献し、その功績は今もなお語り継がれています。

参考文献

人事興信所 編『人事興信録 第13版 下』人事興信所、1941年。
歴代知事編纂会 編集『日本の歴代市長 : 市制施行百年の歩み』 第3、歴代知事編纂会、1983年。

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