広順

広順（こうじゅん）

広順は、中国五代時代の最後の王朝、後周において、初代皇帝である郭威（かく い）の治世で使用された元号です。951年から953年までの3年間という短い期間でしたが、後周の歴史において重要な意味を持ちます。

元号の概要

使用期間: 951年 - 953年
王朝: 後周
* 皇帝: 郭威（太祖）

広順は、それまで使用されていた後漢の元号「乾祐（けんゆう）」から改元される形で始まりました。郭威が後周を建国するにあたり、新たな時代を象徴する元号として「広順」が選ばれたと考えられます。

歴史的背景

五代十国時代は、唐朝滅亡後、中国が分裂と混乱を極めた時代でした。後周は、その五代の中で最も強盛を誇った王朝であり、後の宋朝による中国統一の基礎を築きました。郭威は、軍人として頭角を現し、後漢の皇帝を擁立しましたが、後に自ら皇帝の位につき、後周を建国しました。広順の元号は、郭威による新たな王朝の始まりを告げるものであり、安定と繁栄への願いが込められていたと考えられます。

西暦・干支との対照表

出典

広順に関する記述は、『旧五代史』巻110 周書3 太祖本紀2に見られます。この史書には、郭威が後周を建国し、元号を広順と改めた経緯が記されています。

今建国宜以大周為号，可改漢乾祐四年為広順元年。

この一文は、「今、国を建てるにあたり、大周を号とすべきである。漢の乾祐四年を改めて広順元年とすべし」という意味です。

広順という元号は、短い期間しか使用されませんでしたが、五代十国時代の終焉と、新たな統一王朝の出現を予感させる、歴史的に重要な元号と言えるでしょう。

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