底生生物

底生生物について

底生生物（ていせいせいぶつ、英: benthos）は、水中に生息する生物の中でも水底に住む生物のことを指します。これには岩石、砂、泥、さらにはコンクリートなどの人工物に付着した生物や、そこに住むサンゴや海藻などの固着生物も含まれます。底生生物の生活環境は多様であり、水の底がどのような形状や素材であっても、その上で生活する生物が存在します。

生物の分類

底生生物は、主に以下のような基準で分類されます。

体長による分類

• - ミクロベントス (Microbenthos): 体長が0.42mm未満の生物。
• - メイオベントス (Meiobenthos): 体長が0.42mm以上、1mm未満の生物。
• - マクロベントス (Macrobenthos): 体長が1mm以上の生物。

移動能力による分類

底生生物は移動能力によって次の2種類に分けられます。

• - 付着生物 (Sessile benthos): 固定されて動かない生物。
• - 移動性生物 (Mobile benthos): 自由に移動できる生物。

生息環境による分類

具体的な生息環境においては、以下のような類型があります。

• - 硬基質底: 岩礁や転石などの硬い基質。
• - 堆積物底: 砂礫や細砂、泥などの柔らかい基質。

環境への影響と有害物質

底生生物と環境中の有害物質には、負の相関関係があることが知られており、特に重金属を含む環境ではその生育に悪影響を及ぼします。生物の健康と生育状況を把握するためには、定量的なデータ収集が欠かせません。

調査方法

底生生物の調査は、以下のような手段で行われます。

• - コドラート法: 方形の枠を使用して、生物の分布を調査します。
• - コアサンプル法: アクリルパイプを使用して、土壌中に捕まった生物を分析します。
• - トロール網やドレッジ: 移動性が高い生物の捕獲に使用されます。
• - ヤビーポンプ: 陰圧を利用して、生物を迅速に捕獲するための装置です。

底生生物の役割

底生生物は、生態系において重要な役割を担っています。たとえば、二枚貝は水中のプランクトンを食べることで水質を浄化し、ゴカイのような生物は底泥を食べることで地表の水の通りを良くするための役割を果たします。多くの底生生物は、魚類の餌となり、生態系の食物連鎖の一部を形成しています。

関連項目

底生生物と同様に、水生生態系に関連したテーマとして、底質、底質の環境基準、有害物質との関係、または「デトリタス」と呼ばれる糞や死骸によって形成される栄養素に関する知識も重要です。

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