庚申堂

庚申堂とは

庚申堂（こうしんどう）は、庚申信仰に基づいて建てられた仏堂のことで、日本各地に存在します。庚申信仰とは、中国の道教に由来するもので、人間の体内にいる三尸（さんし）という虫が、庚申の夜に寝ている間に天帝にその人の罪を告げ口すると考えられていました。そのため、人々は庚申の夜には眠らずに集まって飲食を共にし、この災いを避けるという風習が生まれました。この庚申講の信仰が広まる中で、庚申堂が建立されるようになったのです。

庚申堂は、単なるお堂ではなく、地域の人々の信仰の中心であり、交流の場でもありました。堂内には、庚申信仰の本尊である青面金剛像や、猿田彦神などが祀られていることが多いです。

日本各地の庚申堂の例

日本各地には、様々な庚申堂が存在します。以下に、いくつかの例を挙げ、その特徴や歴史を紹介します。

東京都

巣鴨猿田彦庚申堂：東京都豊島区に位置する庚申堂です。猿田彦神を祀っているのが特徴です。地域の人々の信仰を集めています。

神奈川県

庚申堂 (藤沢市)：神奈川県藤沢市にある庚申堂です。詳細な歴史や特徴は不明ですが、地域の人々によって大切に守られています。

岐阜県

庚申堂 (土岐市)：岐阜県土岐市にある庚申堂です。この庚申堂も、地域における庚申信仰の中心地として、人々に親しまれています。

京都府

八坂庚申堂：京都府京都市東山区にある庚申堂で、正式名称は金剛寺といいます。このお堂は、「くくり猿」と呼ばれるカラフルなお守りが有名で、観光客にも人気があります。

大阪府

四天王寺庚申堂：大阪府大阪市天王寺区にある四天王寺の境内に位置する庚申堂です。四天王寺を訪れる参拝者からも信仰を集めています。

奈良県

庚申堂 (奈良市)：奈良県奈良市にある庚申堂です。古都奈良の歴史ある街並みに溶け込み、地域の人々の心の拠り所となっています。
小泉庚申堂：奈良県大和郡山市に位置し、金輪院という寺院が管理しています。地域住民の信仰の対象となっており、歴史的な価値も高いとされています。

福井県

庚申堂：福井県小浜市にある庚申堂です。小浜市は古い歴史を持つ地域であり、この庚申堂も地域の歴史を語る上で重要な存在です。

庚申信仰と庚申塔

庚申堂は、庚申信仰における重要な施設であり、庚申塔もまた、庚申信仰を象徴するものです。庚申塔は、庚申講を行った記念として建てられた石塔で、庚申堂の近くに建てられていることも多いです。

庚申塔には、庚申信仰の本尊である青面金剛像や、見猿・言わ猿・聞か猿の三猿が彫られていることが多いです。これらの像や像は、庚申信仰の教えを伝えるとともに、庚申講を行った人々の絆を深める役割も果たしていました。

庚申堂を訪ねて

庚申堂は、地域の人々の信仰や文化を知る上で、非常に興味深い存在です。もし機会があれば、各地の庚申堂を訪ねて、その歴史や背景に触れてみてはいかがでしょうか。庚申堂には、それぞれ異なる歴史や特徴があり、きっと新たな発見があることでしょう。

関連情報

庚申（干支のひとつ）：庚申は干支の一つで、60日に一度巡ってきます。庚申信仰はこの庚申の日に行うことが重要とされていました。
庚申寺：庚申信仰に関連する寺院です。庚申堂とは異なり、より宗教的な意味合いが強い場所です。
庚申塔：庚申講の記念として建てられた石塔です。庚申信仰を象徴するもので、庚申堂の近くに建てられていることが多いです。

外部リンク

土岐市泉中窯町の庚申堂
https://www.city.toki.lg.jp/kankou/kanko/rekishi/1000285.html

もう一度検索