座散乱木遺跡

座散乱木遺跡の概要

座散乱木遺跡（ざざらぎいせき）は、宮城県大崎市岩出山の江合川流域に位置し、後期旧石器時代から古代にかけての貴重な遺跡です。かつては前期旧石器時代の遺跡として国の史跡に指定されていましたが、2000年に発覚した旧石器捏造事件に伴い、2002年にはその指定が解除されました。遺跡の面積は、北東-南西方向150m、北西-南東方向300mに及び、その中心位置は北緯38度38分28.86秒、東経140度54分05.07秒にあります。

研究の歴史

この遺跡に関する最初の研究は1974年に始まりました。同年、藤村新一が農道近くで縄文時代の遺物を発見し、その後の調査によって旧石器時代の重要な遺跡と判断されました。その後、1976年から宮城県の考古学者や石器文化談話会など民間研究団体が調査を進めました。1981年には、約4万年前の遺跡が報告され、当初、前期旧石器時代の遺跡であると認識されていました。

その後の検証調査では異なる結果が出ました。特に、2000年11月に旧石器捏造事件が発覚した後、再評価が行われました。2002年4月には、座散乱木遺跡の再発掘が行われ、最終的には後期旧石器時代（約3万～1万2千年前）あるいは縄文時代の草創期から古墳時代の遺跡であると認定されました。この結果、遺跡は宮城県内にある148の遺跡の中で、確実に後期旧石器時代のものとして認められたのは19遺跡にとどまりました。

発掘の進展

座散乱木遺跡に関する発掘調査は1976年から1983年にかけて何度も行われました。1976年に行われた第1次発掘調査による発見があり、1980年には新たな発見として日本における前期旧石器時代の重要な遺跡であることが発表され、その成果は大きな注目を集めました。

1982年には、岡村道雄による詳細な報告も行われ、遺跡の重要性が再確認されました。しかし、その後の再評価で発掘資料の多くが疑義が濃厚であるとされたのです。特に、初期の発掘で出土した石器の多くが意図的に埋め込まれた可能性が指摘されました。

現在の状況

最終的に、座散乱木遺跡は2002年に国の史跡の指定が解除されましたが、その考古学的価値は依然として大きいとされています。遺跡自体は後期旧石器時代の研究においても重要な役割を果たし続けています。現在も、考古学者たちによる研究が進められており、地域の歴史理解の重要な資源を提供しています。この遺跡は、宮城県の遺跡における文化的な遺産を理解する上で欠かせない存在です。

座散乱木遺跡は、その歴史的経緯を経て、今なお考古学の重要な研究対象として存在し続けています。

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