庵治町

香川県高松市庵治地区：石と海の町、そして豊かな歴史

高松市庵治地区は、かつて香川県木田郡に存在した庵治町が、2006年1月10日に高松市と合併したことにより誕生しました。瀬戸内海国立公園の東中央部、四国本土の最北端近くに位置するこの地域は、古くからの歴史と豊かな自然、そして独特の文化を合わせ持つ魅力的な場所です。

地理と自然環境

庵治地区は、五剣山、竜王山など複数の山々に囲まれた、変化に富んだ地形をしています。長者川が流れ、大島、矢竹島といった大小様々な島々が点在する、美しい海岸線も特徴です。才田、浜、王の下など、多くの地区から構成され、かつては庵治村として単独で村制を敷いていましたが、高松市編入まで、大字を持たないまま発展を続けました。郵便番号は町内全域で統一されています。

歴史と文化

庵治の地名の由来は、阿伽井の泉の上にあった石に刻まれた「阿」の字、もしくは葦地の「あし」に由来する、と伝えられています。

1890年（明治23年）の町村制施行に伴い、山田郡庵治村として自治体を形成し、その後1899年（明治32年）には木田郡に所属変更。1968年（昭和43年）には町制を施行し、庵治町となりました。1978年（昭和53年）には町章を制定。そして、2006年（平成18年）1月10日、高松市への編入合併により、庵治町は消滅しました。合併プロセスにおいては、隣接する牟礼町との合併協議の紆余曲折を経て、最終的に高松市への編入が実現しました。この合併によって、旧山田郡は高松市の一部となりました。

産業と経済

庵治地区の主要産業は、古くから続く石材業です。特に、良質な庵治石の産地として全国的に有名であり、その石材は数多くの建築物に使われています。他にも、農業や漁業が盛んに行われており、地域経済を支えています。

教育と医療

教育施設としては、小学校、中学校、そして香川大学農学部附属浅海域環境実験実習施設があります。医療施設としては、国立療養所大島青松園があり、ハンセン病の療養施設として重要な役割を果たしています。

観光と名所

庵治地区には、多くの観光スポットがあります。映画「世界の中心で、愛をさけぶ」のロケ地にもなった皇子神社と御殿山園地は、美しい景観と恋愛成就の聖地として人気です。他にも、純愛の聖地庵治・観光交流館、城岬公園、あじ竜王山公園、竹居岬、歯ART美術館、庵治温泉、庵治町創造の森、太鼓の鼻オートキャンプ場などが観光客を惹きつけています。さらに、江の浜、笹尾、鎌野、篠尾、高尻といった海水浴場も人気です。

祭りとしては、皇子神社まつり（香川県指定文化財）、竹居観音まつり、桜八幡神社まつり、住吉神社まつりなどが開催されます。

交通

庵治地区には鉄道は通っていませんが、ことでんバス庵治線が運行しています。また、香川県道36号高松牟礼線が主要な道路として機能しています。

まとめ

高松市庵治地区は、歴史と自然、そして産業が調和した魅力的な地域です。庵治石をはじめとする資源、豊かな自然環境、そして独自の文化は、多くの人々を惹きつけ続けています。今後も、この地域が発展し、人々の生活を豊かにしていくことを期待しています。

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