廣潤社

廣潤社について

廣潤社（こうじゅんしゃ）は、1953年に創業された日本の出版社で、主に高等教育に関連した職員録の出版を専門としていました。設立から数年後の1954年には『全国大学職員録』を刊行し、これが同社の重要な著作の一つとなりました。この職員録には、全国の大学の専任教員や、課長級以上の職員の氏名や職務に関する情報が詳細に収録されており、教育機関の人事関連において非常に有用な資料として知られていました。

その後、廣潤社は『全国短大・高専職員録』や『全国専門・専修・各種学校ガイド』など、さまざまな高等教育機関に関する職員録を次々に発行し、教育界における信頼された情報源としての地位を築きました。これらの出版物は、教育機関の職員や研究者、関係者にとって、重要な参考資料となっていました。

ただし、広潤社の発行していた職員録は、近年の社会的な変化に直面しました。特に2005年に施行された個人情報保護法により、個々の大学からデータ提供を拒否するケースが相次ぐようになりました。清水建宇氏の朝日新聞のコラムによれば、こうした背景が廣潤社の職員録の廃刊と会社の解散に大きく影響したと言われています。特に、学生や職員の個人情報を取り扱うことに対する意識の高まりは、出版業界にも厳しい影響を及ぼしました。このため、廣潤社は2006年に最後の職員録を発行し、その後廃刊を決定、会社も解散に至りました。

廣潤社は、出版年鑑にも名前が見られ、2007年版までその記載がありました。この冊子によると、廣潤社の所在地は東京都世田谷区北烏山で、従業員数は4名であったとされています。小規模ながらも、教育分野への寄与の一環として重要な役割を果たしていたことがうかがえます。

廃刊後の評価

廣潤社の職員録は、多くの教育機関にとって欠かすことのできない資料であり、その功績は今でも多くの人々に評価されています。職員録の中には、教育界の発展の歴史を映し出す貴重なデータが数多く含まれており、一つの教育機関の成長や変遷を知る手助けともなっています。そのため、廣潤社の出版物は、当時の教育環境を理解するための重要な資料として、今後も研究の対象となることでしょう。

このように、廣潤社は日本の教育業界において特異な位置を占めており、その影響は廃刊後もなお感じられるものであると言えるでしょう。

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