延岡市歌

延岡市歌と市民歌の歴史

延岡市歌は、宮崎県にある延岡市が制定した市の公式な歌で、1935年と1963年の二つの異なるバージョンがあります。また、市民歌も存在し、これからその成り立ちや重要な出来事について詳しく解説していきます。

初代延岡市歌の制定

初代の延岡市歌は1935年、昭和天皇の行幸を記念して制定されました。この歌は、当時の市長である仲田又次郎氏の提案によって進められた記念事業の一環として誕生しました。歌詞は公募で募集されましたが、選ばれた作品はなく、旧制第五高等学校の八波則吉教授が数篇の候補作を参考にして作り上げました。この初代歌は、昭和天皇の行幸記念碑に関する記述と共に記念録に収められており、戦後の1948年には別途「延岡市民歌」が制定されるに至ります。

2代目延岡市歌の成立

1963年、延岡市は市制30周年を迎え、旧市歌と市民歌の代替わりを行うこととなりました。この際、改めて歌詞に関する公募が行われ、入選した作品も基にして、同年2月11日付けで現在の2代目の市歌が制定されました。作曲は柳田育秀氏に依頼され、特に彼は延岡市にゆかりがあるエレクトーン奏者です。この新しい市歌は、延岡市の成長や文化を象徴するものとして市民に広まっていきました。

歌詞の増補と市歌の継続

平成の大合併により延岡市は周辺の3町を合併しましたが、合併協議の結果、2代目の延岡市歌を継続使用することが決定されました。そして、市制80周年を記念して、2013年には歌詞に新しい3番が追加され、従来の3番が4番に移動される形で変更が行われました。この新しい歌詞も公募で選ばれ、同年2月9日に行われた記念式典で初めて演奏されました。

延岡市民歌の概要

延岡市民歌も市歌と同様に、二つの異なるバージョンがあります。初代は1948年に制定され、作詞は鈴木睦穂氏によるものですが、作曲者は不詳です。1963年には新たな市民歌が制定され、作詞は西村巌氏、作曲は再び柳田育秀氏が担当しました。初代市民歌は、戦後の復興期のものであり、地域の人々に親しまれてきましたが、1963年に新しい市民歌が制定されることで、その役割が変わっていきました。しかし、現在はあまり使用されていないとされています。

まとめ

延岡市歌と市民歌は、この地域の歴史や文化を反映した重要な存在です。初代と2代目の市歌、また市民歌のそれぞれが持つ背景や制定の経緯は、地域に根付いた公共の歌としての意味を強調しています。市民の協力によって作り上げられたこれらの歌は、延岡市の誇りを表現する重要なシンボルとして、現在でも継承され続けています。

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