延熙 (後趙)

延熙（えんき）は、五胡十六国時代の後趙の君主、石弘によって使用された元号です。334年という短い期間のみ用いられました。

概要

後趙は、五胡十六国時代に華北に割拠した国の一つであり、石勒によって建国されました。石弘は石勒の甥にあたり、石勒の死後、皇位を継承しました。しかし、石弘は若くして即位したため、政治の実権は石勒の養子である石虎が握っていました。

延熙は、石弘が即位した翌年にあたる334年に制定されました。しかし、石弘自身は傀儡君主であり、実質的な決定権は石虎にありました。そのため、延熙という元号が制定された背景や、その意義については詳しい記録が残っていません。ただ、この元号が使用されたのはわずか一年であり、その短い期間からも、当時の後趙の政情不安を窺い知ることができます。

335年、石虎は石弘を廃位し、自ら皇帝を称して国号を趙と改めました。これにより、延熙の元号は廃止され、後趙の歴史においても短い期間のみ使用された元号として記録されています。

西暦・干支との対照表


他王朝の延熙

五胡十六国時代の後趙以外にも、延熙という元号を使用した王朝が存在します。蜀漢の元号である延熙（238年 - 257年）が有名です。元号を使用する際は、既存の元号との重複を避けることが一般的でしたが、当時は複数の王朝が並立していたため、同じ元号が用いられることもありました。

参考文献

李崇智 『中国歴代年号考』（中華書局 2004年）

関連項目

後趙
石弘
五胡十六国時代
* 元号

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