建国大業

『建国大業』について

『建国大業』（けんこくたいぎょう、英題：The Founding of a Republic）は、2009年に公開された中華人民共和国による映画で、建国60周年を記念した作品です。日本では、同年の第22回東京国際映画祭に出品されましたが、一般公開及びソフトウェアは未発売です。

出演者とその背景

本作には、中国を代表する172人の俳優や歌手がボランティアとして参加しており、その中には、若手から名の知られたベテランまで幅広い層が含まれています。中でも、毛沢東役を演じた唐国強は、過去に何度も同役に挑戦してきた国民的俳優です。

本作は、これまで蔣介石を悪人として描くことが一般的だった映画作品とは異なり、愛国者としての姿を描き出しています。特に、蔣介石が国民党の劣勢の中で台湾に逃れる決断をした背景が、王毅元主任の促しにより理解され、蔣介石の孫である蔣孝厳も「客観的な歴史評価」と称賛するなど、話題を呼びました。

ストーリー構成

映画は、1945年8月に日中戦争が終結し、中華民国が戦勝国となったところから始まります。国民党と共産党による国共合作が崩壊し、内戦が始まります。初めは国民党が優位に立ちますが、共産党が人民の支持を得て部隊を強化し、次第に戦局を逆転させていきます。国民党は追い込まれる中、首都南京を離れ、台湾へと逃れます。

1949年9月には北平（現在の北京）で中国人民政治協商会議が開かれ、新たな国歌や国旗について議論されます。作品のクライマックスは、同年10月1日に毛沢東が「中華人民共和国」の成立を宣言するシーンに所在し、これまでの激動の4年間を描写しています。

スタッフとキャスト

映画は、韓三平と黄建新が総監督を務めたほか、名だたる監督陣が部分的に指揮を執っています。また、主要なキャストには毛沢東役の唐国強、蔣介石役の張国立、宋慶齢役の許晴など、著名俳優が名を連ねています。国共両派の多くの政治的背景を持つキャラクターが多数登場し、作品全体に厚みを持たせています。

評価と反響

上映終了直後の2009年9月、中国全土での興行成績は驚異的であり、わずか一週間で3億3000万元（約44億円）を超え、新たな中国映画の記録を打ち立てました。しかし、21人もの出演者が外国籍を取得していることから、「国を捨てた者が愛国映画に出演しても説得力がない」といった意見もネット上で多く見られるようになりました。

ただし、受賞歴も持ち、第29回香港電影金像奨では最優秀アジア映画賞にノミネートされるなど、評価される点も多く、国際的にも注目を浴びました。

この作品は、歴史的な出来事を映し出すとともに、映画としてのアート性や大衆性を融合させた試みとして、多くの議論を呼び起こしています。

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