建義 (西秦)

建義（けんぎ）

建義は、五胡十六国時代に西秦で使用された元号です。西秦の君主であった乞伏国仁（きつぶく こくじん）の治世、385年9月から388年6月までの期間に使用されました。

時代背景

五胡十六国時代は、中国の歴史において、後漢王朝の衰退後、4世紀から5世紀にかけて、北方民族である五胡（匈奴、羯、鮮卑、氐、羌）が中国北部で多数の王朝を建て、争乱を繰り広げた時代です。この時代は政治的に不安定で、社会も混乱していました。西秦もその一つであり、この時代に興亡を繰り返した多くの政権の一つです。

乞伏国仁は、鮮卑族の一派である乞伏部の出身であり、西秦を建国しました。彼は、混乱の時代を生き抜き、自らの勢力を確立するために尽力しました。建義という元号は、彼の治世の初期に使用され、新たな時代を切り開くという意気込みが込められていたと考えられます。

元号の意義

元号は、中国の王朝において、皇帝や君主が自らの治世を象徴するために定めるものです。元号を定めることは、独立した政権としての意思表示であるとともに、天命を受けて国を治めるという正当性を示す意味合いがありました。建義という元号も、乞伏国仁が西秦の君主として、自らの政権を確立し、安定させるという決意を示すものだったと考えられます。

西暦・干支との対照表

参考文献

『中国歴代年号考』李崇智（中華書局 2004年）

関連項目

五胡十六国時代
西秦
乞伏国仁
* 他王朝の建義

この元号が使用された期間は短いものでしたが、五胡十六国という激動の時代における西秦の歴史を語る上で重要な要素の一つです。

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