引退馬協会

認定NPO法人 引退馬協会：競走馬たちのセカンドライフを支える活動

認定特定非営利活動法人 引退馬協会は、千葉県香取市に本部を置く、競走馬や繁殖馬のセカンドキャリア支援を目的とした団体です。長年、第一線で活躍した馬たちが引退後も安心して暮らせるよう、多岐にわたる活動を展開しています。

協会の活動内容

引退馬協会の主要な活動は、競走馬や繁殖馬を「フォスターホース」として受け入れることです。フォスターホースとは、協会が責任を持って飼育・管理する引退馬のことです。これら馬たちの生活に必要な費用は、会員である「フォスターペアレント」の会費、誕生日などに寄付を行う「バースデードネーション」、そして一般からの寄付によって賄われています。

東日本大震災で被災した馬の支援活動も重要な活動の一つです。被災馬のケアや、被災地への支援物資の提供などを通して、馬たちの安全と健康を守り、被災地の復興に貢献しています。

また、協会は引退馬に関する情報を提供する「引退馬ネット事業」も運営しています。この事業を通じて、引退馬の現状や、セカンドキャリアの選択肢などを広く知らしめ、引退馬への理解を深める活動を行っています。グッズ販売も行っており、活動資金の確保と、協会の活動内容の周知に役立てています。

協会の歴史と発展

引退馬協会の前身となる「イグレット軽種馬フォスターペアレントの会」は1997年11月に設立されました。1998年には、最初のフォスターホースとしてグラールストーン（ナイスネイチャの半弟）を受け入れました。その後、2005年には引退馬ネット事業を開始し、2011年にはNPO法人として正式に設立、再就職支援プログラム（現・フォローアッププログラム）を開始しました。2013年には認定NPO法人の認証を受け、活動をさらに拡大してきました。

2015年にはトウショウ牧場の閉場に伴い、トウショウオリオンとマザートウショウを受け入れ、2017年にはバースデードネーションを開始。同年、協会の活動を描いたノンフィクション『生きているだけでいい! 馬がおしえてくれたこと』（倉橋燿子著）が出版され、広く社会に知られるようになりました。

2021年には、スマートフォン向けゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』の人気キャラクター、ナイスネイチャへのバースデードネーションが3500万円を超えるなど、大きな話題を呼びました。この寄付金によって、協会では初めて、日本国内での競走実績のない馬（マンダララ）の受け入れを実現しました。

フォスターホースとサポートホース

現在、数多くの競走馬や繁殖馬がフォスターホースとして、協会の保護の下で余生を過ごしています。また、サポートホースとして、ブライアンズロマン、オリオンザサンクス、エスケープハッチ、ハルウララなど、多くの有名競走馬が支援を受けています。

出版物

協会の活動記録をまとめた『馬の命を守れ!〜引退馬協会活動記録〜』（2016年）や、協会の活動を描いたノンフィクション作品が出版されています。これらの出版物を通じて、協会の活動内容や、引退馬への理解を深めることができます。

その他

過去には、協会の名称を用いたレースが開催されるなど、競馬界との繋がりも深い団体です。関連施設として、「乗馬倶楽部イグレット」を運営しています。

引退馬協会は、競走馬たちのセカンドライフを支える重要な役割を担っており、今後もその活動はますます重要性を増していくでしょう。

もう一度検索