張固

張固（ちょう こ）

張固は、明代に活躍した官僚であり、字を公正と称しました。1395年（洪武28年）に、張懐立の子として臨江府新喩県に生まれ、1456年（景泰7年）に62歳でこの世を去りました。

生涯

1395年12月16日、張固は生を受けました。1433年（宣徳8年）には進士に及第し、官僚としての道を歩み始めました。1438年（正統3年）には刑科給事中に任じられ、その才能を発揮します。その後、1446年（正統11年）には吏科給事中に転じ、さらに重要な職務を担いました。

1449年（正統14年）、英宗の命により、張固は裕州にいる流民の安撫に尽力しました。この時、英宗が北征を計画すると、張固は同僚とともに上疏し、その危険性を訴えました。しかし、英宗は聞き入れず、土木の変で捕虜となってしまいます。1450年（景泰元年）、給事中の李実が四川行都指揮使司に大臣を置くことを求めると、張固は大理寺右少卿に転じ、建昌衛に駐屯しました。1452年（景泰3年）には北京に召還され、大理寺の事務を執り行いました。

山東で反乱が発生すると、景泰帝の命を受けた張固は、その討伐を監督することになりました。山東では長雨による洪水被害が深刻で、多くの流民が道を塞ぐ状況でした。張固は、民衆の苦境を目の当たりにし、その救済に尽力しました。彼は、反乱軍を解散させ、地域の安定を取り戻すことに成功しました。1456年（景泰7年）8月癸丑、張固は生涯を閉じました。享年62歳。

張固の息子である張黼は、父の遺志を継ぎ、官僚として広西按察使の地位まで上り詰めました。張固の生涯は、民への思いやりと、国への忠誠心に満ちたものでした。

参考資料

『明史』巻160 列伝第48
大理少卿張君墓誌銘（王直『抑庵文後集』巻33所収）

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