影の戦闘隊

影の戦闘隊（シャドーウィングス）

『影の戦闘隊』は、武論尊の原作に南一平が作画を手掛けた日本の漫画作品で、1978年から1980年まで『月刊少年ジャンプ』に連載されました。全6巻のコミックスがジャンプ・コミックスから出版されています。本作は、当時の国際情勢を背景にした架空の物語であり、特に日本の防衛問題に焦点を当てています。

あらすじ

物語は、アメリカ合衆国が日本との日米安全保障条約を一方的に破棄したという設定から始まります。この影響で、日本の領空を侵犯する航空機が急増。自衛隊は、撃墜を行うことで国際的な対立を招くことを恐れ、手をこまねいている状況に置かれています。

そのような中、国籍不明の領空侵犯機によって自衛隊機が撃墜される事件が発生。事態を重く見た日本政府は、国籍不明の機体を攻撃する極秘部隊「影の戦闘隊＝シャドーウィングス」を結成します。この部隊は、秘密裏に展開する戦闘機のエースパイロットたちで構成され、効率的に任務をこなす能力を持っています。

物語が進むにつれ、「影の戦闘隊」に立ちはだかるのが、謎の派兵組織「スコーピオン」です。この組織もまた、国際的な影響力を持つ存在であり、激しい戦闘が繰り広げられます。物語は、派遣される戦闘機とそのパイロットたちのドッグファイトを描きつつ、友情や裏切り、戦争の現実にも触れ、深いテーマを含んでいます。

登場人物

• - 和城達也: 物語の主人公であり、表向きは東亜高校の生徒として登場しますが、実は優れたエースパイロットです。初期はF-14に搭乗し、その後F-15に機体を変更します。彼の成長や内面的な葛藤が物語の軸となります。

• - 藤本: 和城の友人であり、東亜高校の番長。彼の父親は航空自衛官で、国籍不明機に撃墜された過去を持つ。和城を尾行中、影の戦闘隊に絡む事件に巻き込まれ、最終的に自らも隊員として活動することになります。

• - 立花美樹: 影の戦闘隊の司令官の孫であり、ルポライターとして表の顔を持つ。卓越した戦闘機の操縦スキルを持っています。

• - 司令官: 名前は作中で触れられないが、影の戦闘隊を指揮する重要な人物です。

• - 今井: 隻眼のベテランパイロットで、影の戦闘隊の実力者。

• - ホワイトスコーピオン: スコーピオンのエースパイロットで、影の戦闘隊との激闘を繰り広げる。彼は、戦闘機同士の戦いに騎士道精神を重んじる姿勢を持っています。

主な登場機体

この作品では、他の漫画と同様に、いくつかの戦闘機が登場します。特に「世界の名戦闘機」として名高い機体が描かれ、リアルさと迫力が盛り込まれています。

書誌情報

最終巻には、各巻末に寄せられたコメントも掲載されており、著名な作家たちの影響や思いが感じられます。独特の世界観と深いテーマを持つ『影の戦闘隊』は、その後も多くの読者に愛され続けている作品です。

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