彼岸花の咲く夜に

彼岸花の咲く夜に

『彼岸花の咲く夜に』は、竜騎士07（07th Expansion）が原作、西E田がキャラクター原案、つのはず壱郎が作画を担当した漫画作品です。2010年5月号から2012年11月号まで『月刊ドラゴンエイジ』で連載されました。また、2011年には07th Expansionによって同人ゲーム（サウンドノベル）としても制作されています。

概要

本作は、学校の怪談を竜騎士07氏がアレンジしたもので、七不思議と呼ばれる妖怪たちと、彼らに導かれた人間たちの織りなす物語が、残酷な描写を交えながら描かれています。特に「いじめ」というテーマが色濃く反映されており、社会的な問題にも触れています。

ゲーム版は、『ひぐらしのなく頃に』、『うみねこのなく頃に』に続く、07th Expansion制作のサウンドノベルとして発売されました。これまでの長編ストーリーとは異なり、本作は一話完結型の短編集形式を採用しており、物語同士で世界観や一部キャラクターを共有しつつも、各話を独立した物語として楽しむことができます。そのため、各物語で主人公となるキャラクターが異なり、様々な視点からストーリーが展開されます。

漫画版の宣伝では「竜騎士07のシリーズ第三弾」と銘打たれていましたが、実際には『ひぐらし』や『うみねこ』との世界観に明確な繋がりはなく、従来のシリーズのようなミステリー要素は基本的にありません。

ゲーム版には漫画版に登場しないキャラクターも存在しますが、漫画版を読まずにゲーム版をプレイしても、ストーリーを理解することは可能です。また、原作漫画は、竜騎士07氏がかつて執筆した小説『学校妖怪紀行』を元にしており、登場人物やストーリーが若干異なっています。

ストーリー

学校七大妖怪の序列第三位である可憐な妖怪少女「彼岸花」は、学校でいじめられている少女・森谷を、妖怪「めそめそさん」の世界へと誘います。こうして、彼岸花は様々な人々を妖怪の世界に巻き込んでいくことになります。

登場人物

主要キャラクター

彼岸花（ひがんばな）
本作を代表するキャラクターで、学校を非日常的な側面から支配する妖怪「学校妖怪七席」の一人。序列は三位で、「保健室の踊る人形」という異名を持ちます。普段は古びた西洋人形の姿で保健室に飾られており、穏やかな性格ですが、本質は残酷な一面も持ち合わせています。
森谷 毬枝（もりや まりえ）/めそめそさん
『めそめそさん』の主人公。いじめを受けている学生の少女で、妖怪「めそめそさん」になることを夢見ています。彼岸花に誘われ、妖怪の世界へと足を踏み入れます。

学校妖怪七席

学校に君臨する特権的な存在の妖怪たちで、闇に彷徨う人間の魂を捕食しています。それぞれ序列が存在します。

校長先生
序列第一位。歴代校長の写真から抜け出した存在とされ、「完全なる消去」という能力を持ちます。紳士的な外見ですが、不愉快な者には残忍な一面を見せます。
イザナミ
序列第二位。『13階段』を踏んだ人間に憑りつき、四十九日間追いかけ回します。熱血漢で説教好きな一面も持ちます。
アザミ
序列第四位。いじめられっ子をいじめっこに変える魔法のアザミを操り、いじめを激化させます。柔和な性格を装っていますが、実際は人間同士の争いを楽しむため、いじめられっ子に近づきます。
キョウ
序列第五位。現実世界と鏡の中の世界の境界を守る妖怪。人の心の両端を司る存在でもあります。
ルノワール
序列第六位。美術室の絵画に憑りついている妖怪。休眠状態にあることが多いですが、時折目覚めて人を喰らいます。
スミレ/大住 玲子（おおすみ れいこ）
序列第七位。いじめの楽しさを生徒達に気づかせるために、わざといじめられ役を演じます。
めそめそさん
序列第八位。生前の森谷 毬枝が妖怪となった姿です。

ゲーム

漫画を原作とし、竜騎士07氏率いる同人サークル07th Expansionがサウンドノベルとしてゲーム化しました。2011年8月にコミックマーケットなどで発売されています。

関連作品

学校妖怪紀行 第八怪談募集中
竜騎士07氏によるオリジナル小説。『彼岸花の咲く夜に』のプロトタイプとなる作品です。
* 学校妖怪紀行〜葉〜
『学校妖怪紀行』を原作とする漫画作品です。

その他

この作品には、学校の怪談をベースにした独特な世界観と、いじめなどの社会問題をテーマにしたストーリーが展開されています。個性的なキャラクターたちが織りなす物語は、多くのファンを魅了し続けています。

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