彼方から (映画)

『彼方から』（原題：Desde allá）は、ベネズエラの映画監督ロレンソ・ビガスが2015年に制作したドラマ映画です。この作品は、第72回ヴェネツィア国際映画祭で最高賞である金獅子賞を受賞し、国際的に高い評価を受けました。また、第89回アカデミー賞外国語映画賞には、ベネズエラ代表作として出品され、世界中の映画ファンから注目を集めました。

物語は、ベネズエラの首都カラカスを舞台に、同性愛者である中年男性のアルマンドと、ストリートで生きる若い少年エルダーの出会いと、その後の複雑な関係を描いています。アルマンドは、裕福な生活を送る一方で、孤独を抱えています。彼は、若い男性に金銭を支払い、自分の家に招き入れるという行為を繰り返しており、エルダーもその一人でした。アルマンドは、エルダーに対して特別な感情を抱きますが、エルダーはアルマンドを金銭的な目的で利用しようとします。二人の関係は、欲望と孤独、そして信頼と裏切りが複雑に絡み合い、予測不能な展開へと進んでいきます。

映画は、カラカスの社会問題を背景に、人間の欲望や孤独、そして社会的な格差を深く掘り下げています。監督のロレンソ・ビガスは、この作品を通じて、人間の内面に潜む複雑な感情を繊細に描き出しています。また、ベネズエラの社会問題を背景に、同性愛というテーマを扱い、社会的なタブーに挑戦する姿勢も高く評価されています。

『彼方から』は、単なる同性愛を描いた映画ではなく、人間の普遍的な感情や社会構造の問題を深く掘り下げた作品です。見る人の心に深く突き刺さるような、力強いメッセージが込められています。この映画は、観客に多くの問いを投げかけ、人間の本質について考えさせられる、非常に見応えのある作品といえるでしょう。

関連情報

2015年のLGBT関連映画
第89回アカデミー賞外国語映画賞出品作一覧
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外部リンク

Desde allá - IMDb（英語）

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