征服娘。

征服娘。

『征服娘。』は、神楽坂淳・著、鈴羅木かりん・画によるライトノベル作品です。集英社・スーパーダッシュ文庫から刊行されました。

あらすじ

舞台は中世。商業都市国家ドラヴィア共和国は、「十人委員会」と呼ばれる組織によって支配されています。その序列で第2位に位置するコントラーリ家の令嬢、マリア・コントラーリは、わずか13歳にしてその卓越した商才を発揮し、莫大な利益を上げていました。しかし、彼女は常に満たされない思いを抱えていました。それは、女性であるが故に、権力を手にすることができず、いずれは政略結婚か修道女になるしかないという現実でした。

マリアは、唯一無二の親友と認める侍女のアッシャと共に、壮大な計画を実行に移します。それは、親兄弟をも踏み台にして、共和国の実権、ひいては世界の覇権を自らの掌中に収めるという野望でした。

主な登場人物

マリア・コントラーリ: ドラヴィア共和国の名門貴族、コントラーリ家の令嬢。13歳にして家業の貿易に携わり、兄たちを凌ぐほどの経営手腕を発揮します。しかし、女性であるが故に実力に見合う地位を得られないことに不満を抱き、共和国、そして全世界を支配しようと野心を燃やします。
アッシャ: マリアの侍女。かつては王女でしたが、内戦で国が滅び、奴隷として売られました。マリアにとって、身分を超えた唯一の親友であり、最高の参謀役です。
ジャコモ・コントラーリ: コントラーリ家の当主。「十人委員会」の第2位という地位に固執せず、庶民の居住区に邸宅を構えるなど、人望を集めています。マリアの野心に気づき、彼女を早く他家に嫁がせたいと考えています。
パオロ・コントラーリ: コントラーリ家の長男。序列により家督を継ぐことが確定していますが、人望は父に劣ります。
ジーノ・コントラーリ: コントラーリ家の次男。パオロと共に正妻の子であり、妾腹のマリアを見下しています。商才は兄弟の中で最も劣りますが、十人委員会筆頭のタラゴーナ家などの後ろ盾があれば何とかなると考えています。
レオン・コントラーリ: コントラーリ家の三男。マリアにとって最も親しい異母兄であり、商才、人格ともに兄たちを上回りますが、妾腹であるため肩身の狭い思いをしています。
ルチア: マリアの母。美人で、人を疑うことを知らない性格のため社交界で人気がありますが、マリアにとっては苛立ちの原因となっています。
ジュゼッペ・リオネーロ: 警察長官。下級貴族の家に生まれ、本来なら現在の地位には就けませんでしたが、十人委員会筆頭の貴族を暴漢から守った功績で32歳にして長官に任命されました。しかし、その美談が自作自演であったことをマリアに知られ、口外しないことを条件にマリアの野望に協力させられます。
アンドレア・ランベルティ: 陸運業に強みを持つランベルティ家の三男。容姿は良くありませんが、親同士が決めた縁談でマリアの婚約者となります。マリアとは舞踏会で一度会ったきりですが、マリアは彼の純朴な性格と園芸の知識に好感を持ち、2年間の修道院生活の後に結婚することを承諾しました。
ラウラ・ヴェニエル: 20歳。ドラヴィアの歓楽街カステレット地区の権益を独占するヴェニエル家の令嬢。ヴェニエル家は一応貴族ですが、アンタッチャブルな存在として扱われており、十人委員会のメンバー数家とは対立関係にあります。マリアがカステレット地区のサンティ・マリア・マルティーレ修道院に2年間身を寄せると聞き、コントラーリ家の人脈を得るために接近を試みますが、やがて「女であるが故に」権力を得られないという共通の不満から意気投合します。着替えや入浴時に他人のバストを掴むのが趣味です。
ジャンヌ: マルセイエ出身の少女。カステレット地区の貧民街で育ち、サンティ・マリア・マルティーレ修道院の修道女となりますが、院長にこき使われ自由のない日々を送っています。修道院に身を寄せたマリアが自分を一人の人間として認めてくれたことに感銘を受けます。

既刊一覧

2008年1月30日初版 ISBN 9784086304023

関連作品

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外部リンク

* スーパーダッシュ文庫・作品紹介

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