征矢野 (松本市)

征矢野（そやの）について

征矢野は、長野県松本市の市街地に位置する町名で、1丁目と2丁目に分かれています。住居表示が実施されており、郵便番号は390-0842です。

地理と概要

松本市の中心部から約2.5km、副都心である南松本からは約1kmの距離にあり、交通の便が良いことから住宅地として発展しています。幹線道路沿いには商店も見られ、生活利便性も高い地域です。地域全体は細長い形状をしています。

2丁目では区画整理が行われ、隣接する高宮北地区と共に地区計画が策定されています。この地区計画では、中低層住宅地を目標とし、建物の高さ制限などの規制が設けられています。また、パチンコ店などの娯楽施設の建設も規制の対象となっています。

歴史

征矢野は、江戸時代には征矢野村として存在していました。

地名の由来は、古代に信濃国から朝廷に献上された梓弓に使われた征討用の矢（征矢）がこの地で作られたという伝承に基づいています。中世には、信濃守護の小笠原氏が井川に居館を構えており、この地域にも町割があったとされています。近世には、庄内組征矢野村として知られていました。

征矢野は、奈良井川と田川が合流する場所に形成された湧水地帯に位置する鎌田地区の一部です。鎌田地区は、征矢野を含む17の町会で構成されており、明治時代から昭和時代にかけて開発が進みました。

鎌田地区の開発は、建武の新政（1333年～1336年）の際、足利尊氏に従って功績をあげた小笠原貞宗が信濃守護に任命され、小島の井川に守護所（井川城）を構えたことが始まりです。

明治8年には、征矢野村は周辺の村々と合併して信楽村となり、その後、筑摩村の一部となりました。明治22年には、筑摩村の一部であった征矢野区などが合併し、松本村が誕生しました。大正14年には、松本村は松本市に編入されました。

歴史年表

1874年（明治7年）：笹部村、高宮新田村、両島村など７村が合併し信楽村となる。
1875年（明治8年）：信楽村に征矢野村、小島村、鎌田村など８村が合併し筑摩村となる。
1889年（明治22年）：筑摩村の内の小島区、鎌田区、征矢野区、信楽村から分離した笹部村、高宮村、両島村などが合併し松本村が誕生。
1925年（大正14年）：松本村が松本市に編入される。
1985年（昭和60年）：1〜2丁目で住居表示が実施。

世帯数と人口

2018年（平成30年）10月1日現在の世帯数と人口は以下の通りです。

世帯数：データなし
人口：データなし

名所

善光寺 西光庵
住所：征矢野2-4-3
曹洞宗全久院の末寺であり、善光寺如来像が本尊として安置されています。境内には、地蔵、六地蔵、青面金剛、観音像も祀られており、曼陀羅や閻魔様などの掛け軸が宝物として所蔵されています。
御嶽教 松本教会
住所：征矢野1-1-11
かつてこの地で亡くなった山伏を祀る祠があり、病気平癒の祈願が行われています。祠の前の石を布で包み患部を撫でると病気が治ると言い伝えられています。
開道記念碑
住所：征矢野1-4-11
初代松本市長の小里頼永によって昭和10年に建立された記念碑です。この道は、鎌田小学校から両島・笹部方面へと続く道路で、農閑期に地域の住民によって作られました。
戸隠神社
住所：征矢野2-4-3
征矢野公民館の脇にある小さな神社で、境内にはお墓と二十三夜塔があります。公民館入口には、征矢野の地名由来を記した旧町名碑が設置されています。
野々宮神社
住所：征矢野2-14-29
祭神は健御名方命で、例祭日は10月の体育の日です。境内には、稲荷社、鹿島社、天神社、疱瘡社、護国神社など五つの祠が祀られています。

稲荷社：五穀豊穣、商売繁盛を祈願

鹿島社：天下統一、国家安泰を祈願

天神社：学業成就、学問上達を祈願

疱瘡社：厄病神祓、祈祷を祈願

*護国神社：護国神霊を祀る

もう一度検索