後から前から

楽曲『後から前から』について

『後から前から』は、1978年にデビューした畑中葉子が1980年にリリースした楽曲です。この曲は、彼女のキャリアの中で特に印象深い作品として知られ、同名の映画とも連動してヒットを記録しました。

畑中葉子は、もともと平尾昌晃とデュエットした『カナダからの手紙』で広く知られるようになりましたが、ソロとしての活動には一時で低迷の時期がありました。しかし、1980年に出演したにっかつロマンポルノ『愛の白昼夢』が話題を呼び、その後リリースされたこの楽曲も注目を集めました。

当時の歌詞内容はテレビのゴールデンタイムの番組には不向きとされ、畑中がこの曲を披露する機会は限られました。実際、深夜番組などでのパフォーマンスが主であり、楽曲の不適切さから「要注意歌謡曲」に指定されていた可能性があります。この指定が最後に見直された際には、既に指定されていなかったため、その後の評価は分かれているようです。

作詞は、著名な作詞家である荒木とよひさの別名義の「豊兵衛」によるもので、この選択は作品のイメージを守るための措置だとも言われています。荒木は『四季の歌』も作詞しており、彼の名前が付いていた場合の影響を考慮した結果でしょう。

この曲は、1992年にデビューしたセクシーユニット「ゴールデンヒップス」や、2014年には「乙女フラペチーノ」にもカバーされるなど、今なお幅広いアーティストに取り上げられています。また、中日ドラゴンズの選手、前原博之の応援ソングとしても使われていたことがあり、「まえはら」と「前から」の言葉遊びとなっている点も印象的です。最近ではプロレスリングWAVEにおいて、この曲の名前を冠した連携技「後から前から」が名付けられ、タッグチーム「ハタナカヨウコ」はこの曲を入場時に使用しています。忘年会的イベントで畑中本人が来場したことも話題になりました。

2016年5月にはアルバム『GET BACK YOKO!!』がリリースされ、新たにアレンジを施されたバージョンも収録されています。現代においてもこの楽曲は、セクシーな系譜を受け継ぐ歌謡曲の代表としてラジオや音楽番組で取り上げられることが多く、畑中本人の反応も好意的であることから、その存在感が改めて証明されています。

映画『後から前から』について

楽曲に関連して公開された映画『後から前から』は、1980年のにっかつロマンポルノ作品で、日活によってプロデュースされました。監督は小原宏裕が務め、主演には畑中葉子が名を連ねています。この映画も曲と同様に話題を呼び、当時のセクシー映画ブームを象徴する作品のひとつとして位置づけられています。

続いて、2010年には復活版として「ロマンポルノRETURNS」での再制作も話題となりました。この作品は1980年版とは異なる内容ながら、新たなアプローチで観客に受け入れられました。このように、音楽と映像の両方で特異な影響を持つ『後から前から』は、日本のポップカルチャーにおいて重要な役割を果たしてきました。

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