後宮の烏

後宮の烏

『後宮の烏』（こうきゅうのからす）は、白川紺子による日本のライト文芸作品で、魅力的なイラストは香魚子が手がけています。本作は2018年4月から2022年4月にかけて、集英社オレンジ文庫より刊行され、特にその中華風の幻想的な世界観とキャラクターたちによって、多くの読者を魅了しています。

あらすじ

物語は、後宮の奥深くに住む「烏妃」と呼ばれる特別な妃、柳寿雪が主人公です。彼女は秘められた力を持つ存在であり、夜明宮で人々と関わることなくひっそりと暮らしています。しかし、彼女のもとには噂を聞きつけた若き皇帝、夏高峻が訪れることになります。皇帝の内面には、過去の廃太子という暗い歴史がありながらも、穏やかな性格を持っています。物語は、二人の出会いを通じて織りなされるさまざまな人間模様や、後宮政治の裏側を描写していきます。

キャラクター

本作には多彩なキャラクターが登場します。主人公の柳寿雪は、神秘的な術を使い、蓮の実餡の包子が大好きな少女です。皇帝の夏高峻は、若くして即位したものの、廃太子としての過去が影を落とします。忠実な宦官の衛青は、高峻が寿雪と近づくことに反発し、緊張感を生み出します。また、寿雪の侍女である九九は、世話好きで素直な性格が魅力的です。

さらに、伝説的な存在として「烏漣娘娘」が登場し、寿雪の中に潜む異形の鳥として物語に不気味さを加えます。これらのキャラクターたちがそれぞれ持つ背景や個性が、物語をより深く、興味深いものにしています。

メディアミックス

『後宮の烏』は、2022年10月から12月にわたりテレビアニメも放送され、原作小説の中の2巻までを描いています。アニメは美しい作画と音楽が評価され、視聴者からも好評を得ることに成功しました。原作との違いやアニメによる新たな表現を楽しむファンも多いことでしょう。

評価

2022年8月時点で、シリーズ発行部数は120万部を超え、集英社オレンジ文庫においてファンタジー作品の先駆け的存在とされるようになりました。また、2023年には第22回Sense of Gender賞を受賞し、その評価はますます高まっています。さらに読者が選ぶアニメキャラ大賞2022では、主人公の柳寿雪が新人賞で9位にランクインし、他にもキャラクターたちが高評価を得ました。

『後宮の烏』は、その独特の世界観と深いキャラクター設定から、ライトノベルの枠を超えた多くの人々に受け入れられています。ファンタジーが好きな読者には、ぜひ手に取ってみてほしい作品です。

もう一度検索