後肢厥陰肝経

後肢厥陰肝経（こうしけついんかんけい）

後肢厥陰肝経は、経絡（けいらく）という概念における重要な要素の一つです。具体的には、四肢、特に後肢に位置する経絡であり、肝経（かんけい）に分類される陰経（いんけい）です。これは、人間に対応させると、足の厥陰肝経（あしのけついんかんけい）に相当します。

後肢厥陰肝経の概要

経絡とは、体内のエネルギー（気）の通り道と考えられており、特定の臓器や器官と密接に関連付けられています。後肢厥陰肝経は、肝臓と関連が深く、後肢の機能を調整する役割を担っています。この経絡の流れが滞ると、様々な不調が現れると考えられています。

後肢厥陰肝経に所属する経穴

後肢厥陰肝経には、いくつかの重要な経穴（けいけつ）が存在します。経穴は、一般的にツボと呼ばれ、特定の場所に刺激を与えることで、経絡の流れを調整し、症状の緩和や改善を目指します。

以下に、後肢厥陰肝経に所属する代表的な経穴とその詳細を示します。

大敦（たいとん）

取穴部位: 第1爪（だいいっそう）の内側
主治: 緊急時、捻挫（ねんざ）、風邪（かぜ）、中毒（ちゅうどく）、腹痛（ふくつう）
解説: 大敦は、後肢厥陰肝経の始まりの経穴であり、様々な症状に効果があります。特に、緊急時や痛みを伴う症状に用いられることが多いです。

中封（ちゅうほう）

取穴部位: 足首（あしくび）の内側前筋（ないそくぜんきん）
主治: 黄疸（おうだん）、捻挫（ねんざ）、後肢麻痺（こうしまひ）、泌尿器疾患（ひにょうきしっかん）
解説: 中封は、足首の重要な経穴であり、肝経の流れを調整するのに役立ちます。黄疸や泌尿器系の問題、後肢の麻痺などに効果があるとされています。

膝関（しつかん）

取穴部位: 膝（ひざ）の内側後上方（ないそくこうじょうほう）
主治: 膝部の痛み（しつぶのいたみ）
解説: 膝関は、膝の痛みを和らげるための経穴です。膝の関節痛や炎症などに効果が期待できます。

肝之兪（かんのゆ）

取穴部位: 第6・7肋間（だいろく・ななろっかん）肩関節線上（けんかんせつせんじょう）
主治: 熱病（ねつびょう）、黄疸（おうだん）、結角膜炎（けっかくまくえん）、脾胃虚弱（ひいきょじゃく）
解説: 肝之兪は、背部に位置する経穴であり、肝臓の機能を調整するのに重要な役割を果たします。熱病、黄疸、目の炎症、消化器系の問題などに用いられます。

注意点

経穴への刺激は、専門的な知識と技術が必要です。自己判断で行わず、必ず専門家（獣医、鍼灸師など）の指導のもとで行ってください。特に動物の場合、人間のようにはっきりと症状を訴えることができないため、慎重な観察が求められます。

参考文献

(参考文献の情報は省略)

関連項目

経絡（けいらく）
足の厥陰肝経（あしのけついんかんけい）

外部リンク

(外部リンクの情報は省略)

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