後藤寺バスセンター

後藤寺バスセンターの概要と歴史

後藤寺バスセンターは福岡県田川市宮尾町に位置し、西日本鉄道の子会社である西鉄バス筑豊が運営していたバスのターミナルです。このバスセンターは、田川市及び田川郡内を結ぶ路線バスに加え、都市間路線も運行していました。そのため、田川市と飯塚市、さらには福岡市や北九州市を結ぶ交通の要所となっていました。バスセンターはJR九州・平成筑豊鉄道田川後藤寺駅のすぐ西側、約150メートルの位置にありました。

過去の栄光と衰退

この地域はかつて石炭産業が活況を呈していましたが、産業の衰退に伴い人口が減少しました。それにより、利用者数も著しく減少し、バス路線も縮小を余儀なくされました。バスセンターの2階部分では1959年から1988年まで映画館「ターミナル会館」が営業していたという過去もあります。当時の賑わいを知る人々には懐かしい場所であったことでしょう。

バスセンターには田川後藤寺駅前の道路が狭いことも影響し、後藤寺営業所行きのバスはターミナルには乗り入れず、近くの後藤寺停留所での乗降扱いとなっていました。このため、他のバスセンターとは異なる運行形態が取られていました。

老朽化と閉鎖

1959年に開業した後藤寺バスセンターは、半世紀以上の月日が経過し、建物は老朽化が進みました。特にコンクリートの落下事故などが報告され、西日本鉄道は所有者に対して修繕を求めましたが、要請が応じられなかったことからバスセンターは2016年6月に閉鎖を決定しました。そして同年9月30日に運営を終了し、バスターミナルとしての機能を失うこととなりました。

閉鎖前の2015年4月には自動券売機や有人窓口も営業を終了し、待合室も閉鎖されました。この結果、後藤寺バスセンターはその役目を終えてしまいました。

新たなバス停の設置

後藤寺バスセンターが閉鎖されると、すぐにその代替として新しい後藤寺バス停が設置されました。この新しい停留所は閉鎖されたバスセンターのすぐ西側に位置し、県道95号線沿いに設けられました。なお、閉鎖後のバスセンターの土地は売り物件として所有者により提供されているものの、解体の見通しはたっていません。

設備と運行ルート

乗り場はバスセンターの北側に1本あり、出入口は建物の西側と東側に配置されていました。乗り場は第1から第9までありましたが、閉鎖時点ではいくつかの乗り場は使用されていませんでした。ターミナル内には青果店兼うどん店も長年営業していましたが、2013年には移転してしまいました。

バスセンターが廃止されると、特急便のほとんどは福岡県立大学との間で運行されるようになり、急行便は福岡市内へ短縮されるなど、バス路線に大きな変更が見られました。また、1990年代中頃には大阪方面行きの夜行高速バスも一時運行されており、地域の交通の中心としての役割を担ってきました。

まとめ

歴史を持つ後藤寺バスセンターは、地域の交通インフラの重要な要素でありました。利用者の減少による影響を受け、最終的には閉鎖されてしまいましたが、その軌跡は地域の人々にとって、大切な思い出と共に語り継がれることでしょう。

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