従化区

従化区：広州の緑豊かな北の玄関口

広東省広州市に位置する従化区は、2014年以前は従化市として知られていました。広州市の北東部に広がり、周囲を竜門県、増城区、清遠市、花都区、仏岡県、新豊県といった地域に囲まれた、自然豊かなエリアです。

多様な地形と豊かな水資源

従化区は、東西約4.5キロメートル、南北約8キロメートルに渡り、複雑な地形が特徴です。東北部は山地と丘陵地帯、中南部は丘陵と谷地、そして西部は丘陵と台地が広がっています。最高地点は東部、竜門県との境にある良口の天堂頂で、標高1210メートルに達します。一方、最低地点は太平村の163メートルです。区の中心部である街口街道の標高は31メートルです。

流渓河、琶江河、蓮麻河といった河川が区内を流れ、年間平均水量は22.7億立方メートルにも及ぶ豊かな水資源を有しています。この水資源は、農業や観光、そして住民生活の基盤となっています。

南亜熱帯季風気候

従化区の気候は、南亜熱帯季風気候に属し、年間平均気温は19.5～21.4度です。最高月間平均気温は28.6～29.3度に達しますが、年間降水量は1800～2200ミリメートルと豊富です。気温の変動も大きく、最高気温は38.1度、最低気温は-7度を記録しています。

春は気温の変化が激しく、雨が多く、春の嵐も発生します。夏は晴れの日が多く気温が高い一方、暴風雨に見舞われることもあります。秋は爽やかで雨が少なく、干ばつや寒露の風が吹く時期もあります。冬は晴れが多く乾燥した気候で、霜害が発生することもあります。気象災害としては、水害、干害、低温による冷害、強風、雹などが挙げられます。

悠久の歴史と文化

『今県釈名』によると、従化県は1489年（弘治2年）に設置されました。1994年には県級市（従化市）に昇格し、そして2014年には区制が施行され、現在の従化区となりました。

発掘された文物からは、七八千年前の新石器時代まで遡る歴史が確認されています。500年前の県設立以来、広州府に属していました。明清時代には、多くの農民運動が興り、封建統治への抵抗が繰り返されました。日中戦争期には、粤北第一、二次会戦の主戦場ともなった重要な地域です。

豊かな観光資源

従化区は、「山青水秀」と形容されるほど、美しい自然景観に恵まれています。山々、川、森、果物、泉、湖など、多様な観光資源が点在しています。

10カ所以上の文化観光スポットがあり、そのうち広裕祠や五岳殿など7カ所は、広東省または広州市重要文物保護スポットに指定されています。流渓河国家森林公園は「第二廬山」と呼ばれ、広州揚水発電所リゾートは3A級国家重要風景名勝区に指定されています。その他、石門国家森林公園、流溪温泉リゾート、天湖滝、流溪香雪、仙沐園、三椏塘幽谷探険、銭岡古村など、多くの観光地が国内外の観光客を魅了しています。

また、従化温泉、凱旋宮、碧水湾、文軒苑、逸泉山荘、温泉ゴルフ場といった高級ホテルも整備され、観光客の快適な滞在をサポートしています。

行政区画

従化区は、3街道と5鎮から構成されています。

街道: 街口街道、江埔街道、城郊街道

鎮: 温泉鎮、良口鎮、呂田鎮、太平鎮、鰲頭鎮

従化区は、歴史と自然が織りなす魅力あふれる地域であり、これからも広州市の発展に重要な役割を果たしていくことでしょう。

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