御受難会

御受難会：世界に広がる信仰の灯

御受難会は、カトリック教会に属する男子と女子の両修道会です。その歴史は18世紀中期、イタリアで聖職者であったパオロ・フランチェスコ・ダネイ（修道名：十字架のパウロ）によって始まりました。当初は観想に重点を置く修道会でしたが、次第に宣教活動にも力を入れ、現在ではヨーロッパ、アジア、アフリカ、アメリカと、世界中に広がる活動範囲を持っています。

御受難会の精神の中核には、イエス・キリストの受難への深い黙想があります。会員たちは、日々の生活の中で、キリストの苦しみと犠牲を深く心に刻み、その精神を生活に反映させようと努めています。この黙想は、単なる宗教儀式ではなく、日々の生活における規律や行動、そして他者への奉仕を通して実践されるものです。

イタリアを拠点に世界中に広がる御受難会の活動は多岐に渡ります。地域社会における宣教活動はもちろんのこと、教育、福祉など、様々な分野で人々の生活を支える活動に携わっています。具体的な活動内容は地域によって異なり、それぞれの土地のニーズに応じた活動が展開されています。

日本においては、兵庫県宝塚市に日本準管区本部が置かれ、本部修道院と宗像修道院では黙想の指導などを行っています。また、大阪大司教区の池田教会および日生中央教会においては、小教区宣教司牧にも携わり、地域社会との密接な繋がりを築いています。これらの活動を通して、御受難会は日本のカトリック教会に貢献しています。

御受難会出身者のなかには、近代屈指のエクソシストとして知られるカンディド・アマンティーニ神父もいます。アマンティーニ神父は1927年から、御受難会のサン・ジュゼッペ修練院（アルジェンターリオ山）で修行しました。修練院での日々は、厳しい規律に彩られていました。深夜2時と朝5時半の起床、食事や散策時における徹底した沈黙、厳寒の中での家事、そして1日に8時間もの黙想という、並外れた鍛錬の日々だったと言われています。こうした厳しい修行生活を通して培われた信仰心と精神力は、神父としての活動に大きな影響を与えたことは想像に難くありません。

御受難会の活動は、単なる宗教活動にとどまりません。世界各地で、人々の生活に寄り添い、福音を伝える活動が続けられています。彼らの活動は、キリストの愛と犠牲を体現し、現代社会における信仰の灯として輝き続けています。 御受難会についての更なる情報は、公式ホームページをご覧ください。

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