御幸橋 (広島市)

御幸橋の概要

御幸橋（みゆきばし）は、広島県広島市に位置する京橋川にかかる道路および鉄道の併用橋です。この橋は広島電鉄の軌道が中央に配置され、その両側には車道および歩道があります。南区皆実町二・六丁目と西岸の千田町三丁目をつなぎ、ここを通る交通量は非常に多いため、しばしば渋滞が発生します。また、橋の西詰は御幸橋三篠線の起点でもあります。

橋の構造・諸元

現橋の特徴は、合計156.6メートルの長さと35.3メートルの幅を持ち、車道10.75メートル、歩道3.75メートル、軌道5.5メートルといった幅員で構成されています。橋の上部はPC単純ホロー桁と鋼の続き桁から成り、強固な耐久性を誇ります。過去の御幸橋は1945年の被爆時にも特に大きな被害を受けましたが、落橋は免れ、未だに避難する人々に利用され続けました。

歴史的経緯

御幸橋の歴史は1885年まで遡ります。当初、宇品築港事業に伴い架橋され、当時は広島で最も長い木橋でした。この橋は「長橋」とも呼ばれ、のちに明治天皇が通過したことを記念して御幸橋に改称されました。この橋の重要性が増す中、1911年に架け替えが行われ、新しい木橋が完成しました。

さらに、1919年にこの橋の北側に専用の軌道橋が建設されたことで、広島市と宇品の交通利便性が向上しました。1931年には老朽化した木橋が鋼橋として架け替えられ、幅も広がりましたが、戦時中の金属回収令により一部が撤去されます。

被爆とその影響

1945年8月6日、御幸橋は原爆による被害を受けました。爆心地から約2,270メートルに位置していたため、橋は大きな被害を喫しつつも、落橋は免れました。そのため、周辺住民が拠り所として避難を試み、橋が避難路として機能しました。この頃の様子を収めた写真は広島の被爆の実態を今に伝える貴重な資料となっています。

現在の御幸橋

戦後、御幸橋は長い間使用されてきましたが、被爆の影響や老朽化に伴う痛みは顕著でした。1969年から始まった架け替え工事は交通の要所としての重要性から長期にわたり行われ、1990年には新たな橋が完成しました。現在の橋は幅員34.1メートルに拡張され、依然として地域の重要な交通路となっています。

周辺施設とアクセス

御幸橋の周辺には、広島電鉄の宇品線の電停があり、利用者にとって便利な地点となっています。また、「おりづるモニュメント」や「原爆被災説明板」といった平和関連のモニュメントも位置しており、地域の歴史を伝える場所となっています。さらに、近くには修道中学校や広島県立図書館などの教育施設が点在しており、地域全体の文化的価値を高めています。

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