徳元幸人

徳元 幸人

1976年10月9日、沖縄県国頭郡恩納村に生まれた徳元幸人は、日本のバレーボール界において選手そして指導者として多大な足跡を残している人物である。

選手としてのキャリア

バレーボールとの出会いは、実兄の影響を受けて小学4年生の時。地元の恩納クラブで競技を始め、恩納中学校、石川高校へと進学する過程で才能を開花させた。高校時代には全国大会で活躍を見せ、2年生時の国体出場に続き、3年生時にはインターハイと国体の両方に出場し、その実力を示した。

中央大学へ進学後は、大学バレーボール界の中心選手としてプレー。2年生だった1996年には、チームを全日本大学選手権の優勝へと導く快挙を達成した。大学4年時には栗生澤淳一氏の指導を受け、更なる技術向上に励んだ。

1999年、Vリーグの強豪であるJTサンダーズに入団し、プロキャリアをスタートさせる。同年2月19日の旭化成スパーキッズ戦でVリーグ初出場を飾り、翌2000年にはチームのレギュラーポジションを獲得。セッターとして正確なトスワークと巧みな試合運びでチームを牽引した。その活躍が認められ、2002年には全日本代表に初選出され、国際舞台も経験している。

Vリーグにおける個人の功績も著しい。2000-01シーズンの第7回Vリーグでは、優れたプレーでベスト6に選出され、リーグを代表するセッターとしての地位を確立。さらに、2005-06シーズンの第12回Vリーグでは、安定したサーブレシーブ能力が高く評価され、サーブレシーブ賞を受賞した。

選手としてのキャリア後期にはチームリーダーとしての役割も担い、2009年には引退した前田悟氏の後任としてJTサンダーズのキャプテンに就任。チームをまとめ上げた。長きにわたり第一線で活躍を続け、2010年1月30日のサントリーサンバーズ戦でリーグ戦通算230試合出場を達成。この功績を称えられ、同年にはVリーグ栄誉賞が授与された。これはJTサンダーズの選手としては平野信孝氏に次ぐ2人目の受賞という栄誉である。

指導者・フロントとしての活動

2012年シーズンをもって、選手としての長いキャリアに終止符を打った徳元氏は、そのまま指導者の道へ進み、古巣であるJTサンダーズのコーチに就任した。同年11月には、当時の久保義人監督が体調を崩して休養に入ったことから、急遽ではあったが監督代行としてチームを率いることとなり、指揮官としての経験も積んだ。その後、ヴェセリン・ヴコヴィッチ氏が新監督に就任したことに伴い、再びコーチとしての役割に戻った。

JTグループでの活動は男子チームに留まらなかった。2016年には、女子チームであるJTマーヴェラスの副部長に就任し、チーム運営や強化といったフロント業務にも携わり、多角的な視点からバレーボールに貢献した。

2020年からは、再びJTサンダーズ広島（当時のチーム名）に戻り、副部長に就任。チームの強化や運営に関わる重要なポストを担った。その知識と経験は、JTグループのバレーボールチームにとって貴重な財産となっている。

そして2022年には、活躍の場をさらに広げ、日本女子代表チームのアシスタントコーチに就任。日本代表の強化に尽力するなど、幅広い分野でバレーボール界に貢献し続けている。

選手として日本代表やVリーグで輝かしい実績を残し、引退後も指導者やフロントスタッフとしてチームや日本代表を支える徳元幸人のキャリアは、バレーボールにかける情熱と、培ってきた豊富な経験がいかに多くの場で活かされているかを物語っている。

球歴

日本代表：2002年

主な個人受賞

第7回Vリーグ ベスト6（2000-01）
第12回Vリーグ サーブレシーブ賞（2005-06）
Vリーグ栄誉賞（2010年）

所属チーム歴

選手
恩納村立恩納中学校
沖縄県立石川高等学校
中央大学
JTサンダーズ（1999-2012年）
指導者/フロント
JTサンダーズ（コーチ、監督代行 2012-2016年頃）
JTマーヴェラス（副部長 2016年頃-2020年頃）
JTサンダーズ広島（副部長 2020年-）
日本女子代表（アシスタントコーチ 2022年-2024年）

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