徳島市民歌

徳島市民歌の概要

「徳島市民歌」（とくしましみんか）は、徳島県の県庁所在地である徳島市が制定した公式な市民歌です。この楽曲は、1940年から1953年までに3つの異なるバージョンが作成されており、それぞれの歌詞と作曲者が異なります。現在歌われているのは、1953年に制定された3代目の市民歌です。

現市民歌の成立経緯

1952年、サンフランシスコ講和条約の発効を記念するイベントの一環として、新しい市民歌の制定が呼びかけられました。そして翌年、憲法記念日と同日に「徳島市民歌」が正式に告示されました。 この楽曲は、実際には1928年に制定された「徳島市歌」の流れを組んでおり、現行の市民歌は2代目の役割を果たすものであると考えられています。

作詞は懸賞募集を通じて行われ、当初58篇の応募から選ばれたのは、鳥取県に住む木村忠徳の作品でした。作曲は藤山一郎に委ねられ、1954年にはNHKの記念式典でその歌唱指導も行われました。ですが、1958年頃までに市の行事で演奏されることはあったものの、市民に根付くことがなかったため、公式な紹介は行われていない状況です。

過去の市民歌

現行の市民歌の制定以前には、1940年と1948年にそれぞれ初代と2代目の「徳島市民歌」が作成されています。

初代（1940年）

初代の「徳島市民歌」は、1940年1月に行われた皇紀二千六百年の記念事業の一環として制定されました。作詞は詩人の佐藤惣之助に、作曲は内田元に依頼され、1939年10月に公式に発表されました。この市民歌は、当時の国々の戦争に対する協力を促す内容になっていますが、1945年の戦後には演奏されなくなりました。

2代目（1948年）

次に制定された2代目の「徳島市民歌」は、戦後復興期に新しい歌を作ることを目的として1948年に製作されました。作詞および作曲の公募が行われ、徳島工業専門学校の教授である蒲池正紀の作品が選ばれました。1948年の市制60周年記念式典で初めて演奏されましたが、約4年後に現行の市民歌が制定されるため、短命に終わりました。

結論

「徳島市民歌」は、地域のアイデンティティを象徴し、市民の誇りを表現する役割を担っています。さまざまな歴史的背景を有しながら、現在でも徳島市民の心に響く楽曲として位置づけられています。市民歌の存続と発展には、ますますの地域貢献と支持が求められることでしょう。

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