徳島県鳴門総合運動公園野球場

徳島県鳴門総合運動公園野球場（オロナミンC球場）

徳島県鳴門市撫養町立岩に位置する徳島県鳴門総合運動公園、通称「鳴門・大塚スポーツパーク」内に設置された野球場である。施設の所有は徳島県であり、運営管理は指定管理者として徳島県スポーツ振興財団が行っている。

この球場は、東京都千代田区に本社を置く大塚製薬がネーミングライツを取得しており、2007年5月12日からは愛称として「オロナミンC球場」の呼称が使用されている。

歴史と変遷

当球場は1973年に完成した。翌1974年には夜間照明設備が設けられ、その機能が拡充された。さらに1993年には、地元で開催された東四国国体（国民体育大会）の野球競技会場となるのに先立ち、施設の改修が実施されている。

過去にはプロ野球公式戦の開催実績もあり、特に1970年代から1980年代にかけては南海ホークスが主催試合を開催していた時期がある。また、日本ハム本社の創業地が徳島県であったことから、1976年から1981年まで日本ハムファイターズの春季キャンプ地としても利用されていた。

2005年シーズン以降は、独立リーグである四国アイランドリーグplusに所属する徳島インディゴソックスの主要なホームスタジアムとして利用されてきた。ただし、利用状況は年によって変動があり、2008年と2009年シーズンには徳島県南部健康運動公園野球場（アグリあなんスタジアム）での開催が増え、当球場での試合数はそれぞれ3試合、7試合と減少した時期もあった。2010年には開催数が見直され10試合が予定されたが、雨天中止等により最終的には9試合が行われた。その後、2011年は7試合、2012年は5試合と推移したが、2013年には10試合が開催されただけでなく、年間総合優勝を決定するリーグチャンピオンシップの第3戦が行われ、この試合に勝利した徳島インディゴソックスが優勝を果たしている。2019年には、リーグ優勝チームと他リーグ優勝チームが戦うグランドチャンピオンシップの会場に初めて選ばれ、2試合が開催された。

大規模改修工事

開場から50年が経過し、施設の老朽化が顕著となったため、当球場では2023年秋より大規模な改修工事に着手している。この改修では、内野席が2階建て構造に拡張され、バックネット裏の2階席には新たに屋根が設置される。また、外野席エリアには大型モニターが新設される計画である。収容人数についても、将来的なプロ野球公式戦の開催を見据え、現在の約18,600人から20,000人に拡張される予定となっている。この一連の改修工事は、2026年度中の完成を目指して進められている。

プロ野球開催実績とエピソード

プロ野球オープン戦は過去に複数回開催されており、特に阪神タイガースが対戦相手として登場することが多かった。例えば、1974年の阪神対太平洋クラブ、1988年の阪神対日本ハム、1992年の阪神対オリックス、2005年の阪神対西武、2013年の阪神対中日などの実績がある。公式戦では、1975年5月18日に日本ハムファイターズ対阪急ブレーブスのダブルヘッダーが開催されており、それぞれ14,000人、13,500人の観衆を集めた記録がある。

球場に関するエピソードとしては、阪神タイガースの低迷期に日本ハムファイターズとのオープン戦が行われた際、強風によってスコアボードのチーム名表示板が落下した出来事が知られている。この時、「日本ハム」の表示が落ちて下に「小松島西」（地元の高校名）が現れたこと、そして阪神が大きくリードされていた状況から、「阪神は高校野球よりも弱いのか」という皮肉がファンの間で囁かれたという話がある。

また、日本ハムファイターズが春季キャンプを行っていた頃、当時フジテレビのアナウンサーで「プロ野球ニュース」のMCに就任間もない中井美穂（現フリーアナウンサー）が取材に訪れた際のエピソードも語り継がれている。彼女は当時の球団常務であった大沢啓二が元監督であることを知らず、「あの方は球団常務さんでありながらトレーニングウエアを着て張り切っていらっしゃいますね」とレポートした後、事実を知って言葉を失ったとされる。

さらに、当球場の近くにはJリーグに加盟する徳島ヴォルティスの本拠地である鳴門総合運動公園陸上競技場（ポカリスエットスタジアム）があるため、ヴォルティスとインディゴソックスのホームゲームが同じ日に開催される際には、両チームの応援を掛け持ちするファンも存在するという。例えば、2009年8月1日の四国ダービー（対愛媛FC戦）開催日には、昼間にインディゴソックス対香川オリーブガイナーズの試合が組まれ、インディゴソックス戦の入場者を対象にヴォルティス戦のチケット割引サービスが実施された事例がある（ただし、このインディゴソックス戦は雨天ノーゲームとなった）。

施設概要

現在のグラウンド面積は13,387平方メートルである。両翼は99.1メートル、中堅は122メートルとなっている。これは2005年の改修時に拡張されたもので、それ以前は両翼92メートル、中堅120メートルだった。内野は土、外野は天然芝で構成されている。照明設備は6基が設置されている。スコアボードは磁気反転式が採用されている。改修前の収容人員は18,600人で、内野席が12,000人分の座席、外野席が6,600人分の芝生席であった。

（注：施設概要は改修前の情報に基づいている部分があるため、2026年度の改修完了後には変更される可能性がある。）

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