徳川達成

徳川達成（とくがわ さとなり）は、1899年（明治32年）5月3日に東京で生まれ、1961年（昭和36年）3月28日に61歳でこの世を去りました。彼は田安徳川家の第10代当主であり、日本の歴史における重要な転換期を経験しました。父は徳川達孝、母は徳川知子であり、名門の血筋を受け継いでいます。また、妻は戸田氏秀の次女・元子であり、多くの子供たちに恵まれました。子息には、第11代当主となった宗英、徳川義恭夫人となった雅子（後に渡邊正廣夫人）、言語学者の宗賢、元通産省官僚の宗廣、溝口道郎夫人となった文子、そして越前松平家当主となった松平宗紀がいます。

伯父には徳川慶喜の養子となり徳川宗家を継いだ家達がいます。これは、徳川家内部の複雑な関係性を物語っています。

海軍士官としての経歴

達成は1920年（大正9年）3月に旧制学習院高等科を卒業した後、1923年（大正12年）に東京帝国大学工学部造兵科を卒業しました。その後、海軍に入り造兵少尉に任官され、軍人としてのキャリアをスタートさせました。1927年（昭和2年）には欧米各国へ留学し、軍事技術や戦略について学びました。留学中のロンドンでは、長男の宗英が誕生しています。1935年（昭和10年）には中佐に昇進し、その能力を高く評価されていましたが、その後大佐で予備役編入となりました。

戦後の活動

第二次世界大戦後は、服部時計店（現在のセイコーホールディングス）の社外重役を務め、実業家としての側面も持つようになりました。彼の多才さは、軍事だけでなくビジネスの世界でも発揮されました。

晩年と死去

徳川達成は、1961年（昭和36年）3月28日に生涯を閉じました。彼の人生は、明治、大正、昭和という激動の時代を反映しており、日本の歴史の中で重要な役割を果たした人物の一人として記憶されています。

まとめ

徳川達成は、名門の家に生まれ、海軍士官として活躍し、戦後は実業家としても成功を収めた多才な人物でした。彼の生涯は、日本の近代史を理解する上で重要な手がかりとなります。

参考文献

* 『昭和新修華族家系大成 下巻』（吉川弘文館、1984年）

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