心の地図

映画『心の地図』について

『心の地図』（原題: Map of the Human Heart）は、1992年に公開されたオーストラリアとイギリスの共同制作映画です。この作品は、愛、アイデンティティ、そして戦争によって引き裂かれた運命を描いています。物語は1965年に設定され、北極の小さな油田地区での出来事から始まります。

あらすじ

物語は、アメリカ人の地図作成員である青年が北極の小屋で作業しているところからスタートします。彼の元に、かつての運命に関わる話をする中年のエスキモー男性が現れます。ここから過去の物語が語られることになります。

1931年、北極のナナタークという村に生まれた少年アヴィックは、白人捕鯨船員との混血です。唯一の家族である祖母と共に生活するアヴィックは、アザラシ狩りを始めたばかりの頃、良い猟師になることを期待されています。ある日、英国空軍の地図作成チームが村に訪れ、チームの一員であるウォルターとアヴィックは親しくなります。しかし、その後アヴィックは“白人の病”とも呼ばれる結核にかかり、モントリオールの病院での治療が必要となります。

祖母は猛反対するものの、アヴィックは魅了された飛行機に乗り込むことを決意します。モントリオールでは、入院中にアルベルティンという少女と出会いますが、最初は衝突から始まる関係になります。二人は次第にお互いを理解し合い、深い絆を結びますが、シスター・バンヴィールから混血であることを隠すように警告されます。彼らは脱走することを試みるも、失敗し、アルベルティンは他の病院に移されてしまいます。

1941年、ウォルターが再び北極へとやってきます。成長したアヴィックは彼を手伝うことになりますが、白人社会で過ごした彼はエスキモー語や狩りの技能を失っています。やがてウォルターの本当の目的が、ドイツ軍の難破船から地図を奪うことだと知り、アヴィックは愕然とします。

物語は、アヴィックが成長し、1944年に英国空軍の一員として軍用機に乗るところへと進みます。彼はアルベルティンと再会し、彼女とウォルターの交際を知ります。このことに心を痛めるアヴィックですが、二人は再び密な関係を築いていくことになります。

1945年のドレスデン爆撃では、アヴィックは危険な任務に挑み、目の前で市民を助けようとする中、重要な物を失います。失ったものは彼の人生に深く刻まれるでしょう。結局、アヴィックは1955年まで生き残り、彼の過去がどのように彼を形作ったのかを考えさせられることになります。

結末

物語は1965年に戻り、アヴィックは北極の酒場で「Ma Metisse」という歌を聴くところから締めくくられます。彼は過去の思い出と向き合い、また新しい出会いの可能性があることを示唆しつつ、故郷の村へと想いを馳せます。アヴィックの物語は、愛とアイデンティティを探る壮大な旅であり、彼の心の地図がどのように形成されたのかを教えてくれます。

キャスト

• - ジェイソン・スコット・リー: アヴィック
• - アンヌ・パリロー: アルベルティン
• - パトリック・バーギン: ウォルター・ラッセル
• - クロティルド・クロー: レイニー
• - ジョン・キューザック: 地図作成員

この映画は、感情豊かなストーリーとともに、真実の絆や文化の葛藤を経験させてくれます。

もう一度検索