心の時代

アルバム『心の時代』の概要

『心の時代』（こころのじだい）は、シンガーソングライターのさだまさしが1998年9月23日にリリースした24枚目のオリジナル・アルバムです。このアルバムは、さだまさし自身のコンサートツアーのタイトルとしても使われ、同年に刊行されたエッセイ集にも名を連ねています。

アルバムの背景

この作品は、写真家の星野道夫が手がけた『風のような物語』に触発されて制作されました。現代人が自然との関係について再考することを促す内容になっており、その願いが込められています。また、プライス・ダウン・リイシュー版では、星野の作品が多く取り入れられる形で再リリースされました。

収録曲の紹介

1. 心の時代
この曲は、現代社会の様々な問題に対し「こころ」の重要性を訴え、心を理解する感受性が必要であるとさだが考える内容となっています。

2. クリスマス・ローズ
思い出をテーマにしたこの曲は、恋人を失った女性の心情を描写し、思い出の持つ役割を探ります。

3. 驟雨（しゅうう）
雨にまつわる状況を用いて、人の深層心理を表現した曲で、驟雨がもたらす感情の変化が描かれています。

4. 君が選んだひと
かつての恋人の結婚式を背景に、「恋」が「愛」に変化する男の心境を表現しています。

5. 秘密
思春期に特有の「性」に関する後ろめたさを題材にした曲で、「ひみつ」と「嘘」の関係についてさだが自身の思いを語っています。

6. 神の恵み 〜A Day of Providence〜
幼少期に長崎にやってきたアメリカの軍艦を象徴に、戦後の日本とアメリカの関係についての矛盾を投げかける作品です。

7. 不器用な花
当時の社会における「ステレオタイプ」の問題に焦点を当て、個々の「自分らしさ」と努力の重要性を強調しています。

8. こころとからだ
心と体の密接関係について、バランスの重要性をテーマに描かれた曲です。

9. 都府楼（とふろう）
大宰府を再びテーマにし、季節や人の心の移り変わりを宿命的なものとして捉えています。

10. 航跡
「昨日まで何をしてきたか」ではなく「明日から何ができるか」が大切だというメッセージが込められています。

11. 白夜の黄昏の光
星野道夫への思いを表現したこの曲は、アルバム作成へのインスピレーションを与えた景色が描かれています。

制作スタッフと参加ミュージシャン

全曲の作詩・作曲はさだまさしが手がけており、一部の楽曲には弦編曲として渡辺俊幸が参加しています。また、多くのミュージシャンも参加しており、その中にはギターの石川鷹彦やマリンバの宅間久善などが含まれています。

エッセイ集

アルバムに合わせて、1998年10月にはエッセイ集も刊行されており、こちらは各楽曲に関連したエッセイが綴られています。これにより、アルバムのテーマをより深く理解するための手助けとなるでしょう。ISBNは4-7631-9244-2となっています。

まとめ

『心の時代』は、さだまさしの音楽的表現が凝縮された作品であり、単なる音楽アルバムを越えて、現代社会や個人の感情を考察する貴重なメッセージを含んでいます。作品を通じて、聴く人々に深い印象を与えることでしょう。

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