忘却探偵シリーズ

忘却探偵シリーズ

「忘却探偵シリーズ」は、西尾維新による推理小説で、2014年10月に最初の作品『掟上今日子の備忘録』が出版されました。このシリーズは、記憶が1日で消えてしまう探偵、掟上今日子を主人公にした物語です。イラストはVOFANが手掛けており、全て講談社BOXから刊行されています。各巻のタイトルは「掟上今日子の○○○」という形式で、多くが二語一字の熟語を用いています。

掟上今日子は、事件を「ほぼ」1日で解決に導く能力を持つ探偵であり、その記憶の特徴から「忘却探偵」として名を馳せています。彼女の相棒は冤罪体質の青年、隠館厄介で、彼とのコンビネーションが物語の魅力を引き立てます。また、シリーズは短編と長編で構成されており、異なる相棒との物語が展開されるのも特徴です。

このシリーズの作品は、誰もが楽しめる魅力を備えており、独特のリズム感とユーモアが織り交ぜられています。人の記憶がいかに影響を与えるかを考えさせられる作品でもあり、今日子がどのようにして事件を解決していくのか、毎回楽しみにされる方も多いでしょう。特に、彼女が寝ることで記憶がリセットされるため、その都度手に書き残すことで情報を管理する姿は、彼女のキャラクターのユニークさを際立たせています。

シリーズは、メディアミックスも行われており、漫画版が『月刊少年マガジン』で連載されたことや、テレビドラマ化もされています。テレビドラマでは新垣結衣が掟上今日子を演じ、非常に高い評価を受けました。ドラマ化に際しては、西尾自身がオファーを受けた時点で原作が1作品しかない中での制作が決定したという注目の経緯もあります。

制作背景

西尾維新は、以前からミステリーを書きたいと考えており、このシリーズを書くにあたってはレトリックや対話に重点を置くのではなく、よりストレートに物語を伝えることを意識しています。デビュー作と多くの共通点があり、原点回帰とも言える要素が取り入れられています。

登場人物

掟上 今日子（おきてがみ きょうこ）

本シリーズの主人公であり、置手紙探偵事務所の所長。他人の記憶を失うことで、日々新たな事件を解決し続けています。彼女は自分の名前や職業すら忘れてしまうため、感情と記憶をうまく使い分けながら、毎日の探偵業に挑んでいます。普段は地味な服装をしているものの、テンションが上がると服装が華やぐこともあり、そのギャップが彼女の魅力の一部ともなっています。

隠館 厄介（かくしだて やくすけ）

今日子の相棒で、冤罪体質の持ち主です。幼少期から多くの事件に巻き込まれ、非常に気弱な性格になってしまいましたが、それが彼にとっては探偵ビジネスの一環でもあります。彼女への好意を抱いているが、毎回名乗られることでショックを受けています。

評価と受賞歴

このシリーズは非常に高い評価を受けており、初の電子書籍でも驚異的な売上を記録し、特別賞を受賞しました。ストーリーの面白さやキャラクターの個性が多くの読者を引きつけています。さらに、ドラマ化後も多くの支持を受け、満足度調査では高い評価を得ました。

「忘却探偵シリーズ」は、記憶をテーマにした独自の探偵ストーリーを楽しみたい方にはぴったりの作品です。探偵業を通して描かれる人間ドラマやコミカルな要素が絶妙に絡み合い、読む者を惹きつけてやみません。興味がある方はぜひ手に取って、その魅力に触れてみてください。

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