恋に寒さを忘れ

高橋洋子とジ・エンゼル・シスターズのクリスマスアルバム『恋に寒さを忘れ』

2015年11月20日に発売されたミニアルバム『恋に寒さを忘れ』は、高橋洋子とジ・エンゼル・シスターズによる新たなクリスマスの音楽体験を提供しています。高橋洋子とそのバックグループであるジ・エンゼル・シスターズは、彼女が一人で聖歌隊の役割を果たし、マルチ録音を用いた作品です。ジ・エンゼル・シスターズの名前は、アンドリュース・シスターズからインスパイアされたもので、プロデューサーの山崎和美が提案したものです。

このアルバムは、高橋自身がクリスマスアルバムをリリースしたいという強い思いから生まれました。高橋はレコードをリリースしたいと考えており、この作品が彼女にとって初のレコード作品となります。ダウンロード版は通常版とハイレゾ版の2通りでリリースされており、CD版は計画されていません。

レコーディングのプロセス

アルバムの録音には、わずか3日間が費やされました。最初の日にはリハーサルや音合わせが行われ、次の日にはバンドのレコーディングと仮歌が録音され、最後の日には本格的な歌唱が行われました。特に3日目の歌唱セッションでは、7時間半かけて19トラックを録音しています。この効率的なスケジュールは、アルバムの内容のクオリティを高める要因となりました。

演奏を担当したのは、ジャネット・クラインのバックバンドである「パーラーボーイズ」で、彼らは楽曲のアレンジも手掛けています。サウンドは1950年代を意識したスタイルに仕上げられており、リスナーにノスタルジックな印象を与えています。

アルバムジャケットとデザイン

アルバムジャケットはまつむらあさみがデザインを担当しており、3人の女性が描かれています。左側の女性が「ゆうこ」、真ん中の女性が「ようこ」、右側の女性が「やえこ」と名付けられており、中央の「ようこ」は高橋洋子自身がモデルになっています。また、レコードのサイズは高橋の希望により、特別に10インチとなりました。

収録楽曲と特徴

アルバムにはいくつかの注目すべき楽曲が含まれています。3曲目にあたる「Jingle Bells with John and Yoko」では、ジョン・レイノルズとのデュエットが披露され、「ジョンとヨーコ」というユニット名で展開されています。また、5曲目の「Have Yourself A Merry Little Christmas」は、仮歌の形式で2日目に録音されました。さらに、6曲目にある「The Little Drummer Boy/Peace On Earth」は、高橋が特に好きな楽曲です。ダウンロード版限定では、7曲目「Jin Jin Jingle Bells」が収録され、これは3曲目のアレンジ版となっています。

批評と評価

このアルバムは、音楽評論家やリスナーから高い評価を受けています。ミッキー・カーチスは「お洒落で楽しいアルバムだね！コンセプトも最高！」と称賛し、田辺靖雄と九重佑三子も「古き良き時代のジャズに挑戦することは非常に喜ばしい」と語っています。鈴木カツは「ノスタルジックなだけでなく、ドリーミーなコーラスが心に響く傑作」との評価を行い、アルバムの価値を高めています。

この『恋に寒さを忘れ』は、クリスマスの情景を音楽で表現し、新たなスタンダードとなることを願った作品であり、リスナーにとって特別な音楽体験を提供することを目指しています。

もう一度検索