恋のためらい/フランキーとジョニー

映画『恋のためらい/フランキーとジョニー』

『恋のためらい/フランキーとジョニー』（原題: Frankie and Johnny）は、1991年に公開されたアメリカの映画であり、疲れた大人たちの恋愛を描いた物語です。日本では『恋のためらい フランキー&ジョニー』というタイトルでも知られています。物語は互いに傷を抱えた二人が、新たな愛を見つける過程を中心に展開されます。

この映画の原作は、1987年にオフ・ブロードウェイで初演された『月の光の中のフランキーとジョニー』で、キャシー・ベイツとF・マーリー・エイブラハムが共演しています。後に、2002年にブロードウェイでも上演され、主演はイーディ・ファルコとスタンリー・トゥッチが務めました。本作の映画化にあたり、原作者のテレンス・マクナリーがキャストを追加し、映画向けに脚色を行いました。特に注目すべきは、日本での劇場公演では、この映画の邦題ではなく原題の直訳が使われている点です。

また、同名の異なる作品として、エルヴィス・プレスリー主演の「フランキーandジョニー」（1966年）が存在することにも触れられています。この映画では、その音楽が挿入歌として何度か流れますが、プレスリーの曲ではなく、ロカビリーおよびカントリーの歌手であるジェームズ・インヴェルドによるカバーが使用されています。さらに、原作のタイトルに含まれているクラシック音楽、クロード・ドビュッシー作曲の「月の光」もクライマックスで効果的に使われています。音楽はマーヴィン・ハムリッシュが手掛けており、冒頭からバッハの旋律が織り交ぜられています。

物語のあらすじを見てみましょう。ジョニーは、刑務所から出所したばかりで、ニューヨークのダイナー「アポロ・カフェ」の店主の厚意によりコックとして雇われます。彼はウェイトレスのフランキーに強く惹かれ、度々口説こうとしますが、フランキーは最初は冷たくあしらいます。しかし、同僚の葬式で見せたジョニーの涙を見たことから、彼女も少しずつ興味を持ち始めます。

ふたりは従業員の送別パーティーで一夜を共にするものの、ジョニーの突然のプロポーズに対してフランキーは怒り、しばらく家に引きこもります。数日が経ち、やっと店に戻ってきたフランキーに対し、ジョニーは自らの過去や心の葛藤、未来への希望を語ります。フランキーもジョニーの真剣さと優しさに心を開き始め、自分自身が抱える過去の傷についても打ち明けます。

だが、フランキーはまだジョニーを完全には受け入れられずにいました。しかし、ラジオからジョニーがリクエストした彼女の好きな曲が流れた瞬間、フランキーはジョニーの心からの思いに癒され、新たな恋へ踏み出す決心を固めます。

キャストとスタッフ

本作では、アル・パチーノがジョニー役、ミシェル・ファイファーがフランキー役を演じます。この二人の共演は『スカーフェイス』に続いて2度目となりますが、ファイファーのキャラクターは原作の中年女性という設定とは異なる印象を与えています。

他のキャストには、ヘクター・エリゾンド（ニック）、ネイサン・レイン（ティム）、ケイト・ネリガン（コーラ）などがいます。スタッフには、監督のゲイリー・マーシャルや、日本語版の演出を手がけた福永莞爾が名を連ねています。

『恋のためらい/フランキーとジョニー』は、愛と葛藤の物語であり、観る人に深い感動をもたらす作品です。

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