恋のほのお

恋のほのお：エジソン・ライトハウスの輝かしいスタート

1970年に英国の音楽シーンに彗星のごとく現れたエジソン・ライトハウスは、デビュー・シングルである「恋のほのお」（原題：Love Grows (Where My Rosemary Goes)）で世界中のチャートを駆け上がりました。この楽曲は、セッション・シンガーとして名高いトニー・バロウズをリード・ボーカルに据えた、実質的にはスタジオ・プロジェクトとして生み出されたグループの代表作となりました。

楽曲の背景と制作

「恋のほのお」は、1969年の晩秋にあたる11月にその産声を上げました。これは、同時期にトニー・バロウズがボーカルを担当した別のヒット曲、ホワイト・プレインズの「恋に恋して」が録音された直後のことでした。エジソン・ライトハウスという名前は、まさにこの「恋のほのお」を世に送り出すために組織された、言わば楽曲ありきのプロジェクトであったと言えます。この楽曲の成功こそが、エジソン・ライトハウスの短いながらも輝かしい活動の幕開けとなったのです。

世界を駆け巡ったヒット

「恋のほのお」は、1970年1月9日にシングルとして公式にリリースされました。発売されるやいなや、この軽快でキャッチーなメロディーはリスナーを魅了し、瞬く間にチャートを上昇します。

特に母国であるイギリスでは、全英シングルチャートにおいて実に5週連続で首位を独走するという圧倒的な強さを見せつけました。アメリカ合衆国でもその勢いは止まらず、権威あるビルボードのHot 100チャートでは最高位5位まで到達し、その地位を不動のものとしました。具体的には、1970年3月28日から4月4日にかけての記録です。そして、この年の年間チャートにおいても40位にランクインし、その年のポピュラー音楽を語る上で欠かせない一曲となりました。

イギリスとアメリカのみならず、「恋のほのお」の世界的な成功は他の国々にも波及しました。カナダのRPMチャートでは3位、オーストラリアでは2位、南アフリカ共和国でも3位を記録するなど、文字通り地球規模でのヒットを記録しました。これらの実績は、本楽曲が広く人々に受け入れられた証であり、その功績を称えるゴールドディスク認定へと繋がりました。

楽曲を彩った才能

この「恋のほのお」の作者の一人としてクレジットされているのが、イギリスのソングライターであるトニー・マコーレイです。彼はこの曲以外にも、数々のヒット曲を手掛けてきた才能溢れる人物として知られています。彼のペンからは、ザ・ファウンデーションズの「星のベイビー（Baby Now That I've Found You）」や「恋の乾草（Build Me Up Buttercup）」、フィフス・ディメンションの「夢の消える夜（(Last Night) I Didn't Get to Sleep At All）」、そしてデヴィッド・ソウルの「やすらぎの季節（Don't Give Up on Us）」といった、時代を超えて愛される名曲たちが生まれています。「恋のほのお」もまた、彼のメロディーセンスと時代を捉える感覚が見事に融合した一例と言えるでしょう。

「恋のほのお」は、エジソン・ライトハウスという名前こそ短命に終わったものの、トニー・バロウズの印象的なボーカルとトニー・マコーレイをはじめとする作者たちの優れた楽曲によって、1970年代初頭のポップシーンに燦然と輝く一ページを刻みました。その耳馴染みの良い旋律は、今なお多くの人々に記憶されています。

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