恋の予感 (オリビア・ニュートン＝ジョンとクリフ・リチャードの曲)

「恋の予感」（原題: Suddenly）は、オーストラリアのシンガーソングライター、オリビア・ニュートン＝ジョンとイギリスの著名な歌手クリフ・リチャードという、国際的に活躍する二人のアーティストが歌い上げた感動的なデュエット楽曲です。

この曲は、1980年に公開されたミュージカルファンタジー映画『ザナドゥ』のオリジナル・サウンドトラックに収録されています。『ザナドゥ』は、主演を務めたオリビア・ニュートン＝ジョンと、往年のハリウッドスターであるジーン・ケリーの共演でも話題となり、サウンドトラックにはエレクトリック・ライト・オーケストラ（ELO）も参加するなど、豪華な顔ぶれが揃った作品です。その中でも「恋の予感」は特に印象的な楽曲の一つとして位置づけられ、サウンドトラック・アルバムからサード・シングルとしてカットされ、広くリスナーに届けられました。

この貴重なコラボレーションが実現した背景について、クリフ・リチャードは後に興味深いエピソードを明かしています。彼は、オリビアから直接電話を受けたと語っています。その際、オリビアは「私が主演する映画で、相手役の俳優さんが歌うことをあまり望んでいないの。だから、あなたと一緒に歌ってくれないかしら？」と依頼したそうです。これに対し、クリフは通常であれば楽曲の内容を確認してから引き受けるのが常ですが、この時は一切の躊躇なく「もちろん！」と即座に快諾したといいます。このエピソードは、オリビアとクリフの間に長年培われてきた深い友情と信頼関係があってこそ実現した、特別なコラボレーションであったことを示唆しています。

シングル・レコードのカップリングには、「ユー・メイド・ミー・ラヴ・ユー」（You Made Me Love You）という楽曲が収録されています。この曲もまた『ザナドゥ』の劇中で使用されましたが、サウンドトラック・アルバム本編には残念ながら収録されませんでした。

2022年にオリビア・ニュートン＝ジョンが他界した後、彼女への追悼の念を込めるかのように、新たなヴァージョンが登場しました。クリフ・リチャードが2023年にリリースした、彼のキャリア65周年を記念するアルバムに収録されたものです。この新しい「恋の予感」では、2015年にオリビアとクリフが共にライブでパフォーマンスした際の貴重なヴォーカル・テイクが使用されています。これにより、二人の歌声が時を超えて再び重なり合い、多くのファンに感動を与えています。

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